安易な「怒ったら損」の危険性
こんにちは。
スポーツメンタルコーチの福岡正一です。
例えばスポーツの試合中、何かに腹を立てカッとなった状態をコントロールできないといい結果が出ないことは歴然です。それだからと言って、安易に怒ることはよくないことだと現象だけを評して怒りの情動を抑圧してしまうと他の情動もすべて抑圧されてしまいます。そしてプレイヤーはその先「感情を出してはいけない」と無駄に気にしすぎてパフォーマンス低下の道を辿っていきます。すべての情動はすべての人にあるもので怒らない人なんていません。安易な感情表現の抑圧はパフォーマンスの低下に繋がり窮屈になってしまいます。日本人に胃がんが多いのも負の感情表現を我慢することで内臓を痛める人が多いからでしょう。プレイヤーの動きが鈍化すれば組織自体の繁栄にも影響します。
特にハイパフォーマーは日頃から体と脳を常人には理解できないほど追い込んでいます。上手くいかないときに何かに当たりたくなるほど怒りが湧いてくるのは自然なことです。そんな時は同じ感覚の人がおらず理解者がいないことで怒りが沸点にたどり着くまで時間はかからないでしょう。
どんなに鍛錬を積んできても、体調が悪い、悪天候、序盤にリードを許す、なかなかボールに触れない、そもそも試合に出ることができなかったりすることだってあります。「こんなに頑張ってきたのに!」と損得勘定が湧いてくることも自然にあるでしょう。ただ、真のハイパフォーマーはどんな状況でも現状をよくするために今をどう過ごせばいいのかを考えて感情をコントロールできるのです。
不利な状況が訪れた時に「よし、きた!」と思えるように共にお話していきましょう。