本当の気持ちを書いてもいいの？サクサク楽しい作文の時間。

冬休みレッスンも今日で無事、終わりました。明日が始業式というお子さんが多いようですが、皆さんのお宅では、新学期の準備はばっちりですか？朝になって慌てないように、心と身体を整えて、締めの三学期を迎えてほしいと思います。まぁ、こんなことを言っていますが、私も明日からは早起きです。すっかり遅寝遅起きの生活リズムに身体が慣れてしまいましたが、鞭打って、頑張りたいと思います…。ちゃんと、起きよう・笑。

小学生対象の冬休みレッスンでは《読解力up》が一つの目標でした。普段は他の学習との兼ね合いで、じっくりと取り組むことのできない《長文読解》にも、毎回、チャレンジしました。その様子を少しご紹介します。

【冬休みレッスン：Ａちゃん（1年生）】
〇宿題（日記）の提出
〇（私に教えたい）ニュースを発表
〇読解問題①・・・詩や手紙など、短めのもの
〇読解問題➁・・・物語や説明文など、長文のもの
＊いずれも、必ず音読をしてから、解きます。音読の時点で《分からない言葉》や《漢字》があれば、印を付けて確認します
〇作文・・・テーマ、タイトル決めまでをする

冬休みの間、《読むこと》《書くこと》を繰り返してきた結果、Aちゃんの読解問題に対する理解度が上がったことはもちろんですが、何より、《書く力》が格段に向上し、その力は私の目から見ても、確かなものへとなっていました。作文用紙を渡すと、Aちゃんの目がほんの一瞬ですが、キラリと輝くのが分かります。（今日は何を書こうかな？）このお休み中に、書くことの楽しさを知ったのでしょう。その気持ちはよーーく、分かります。応募作品や学校の課題ではないので、私はなるべく口を出しません。たとえ拙い言葉だったとしても、自分の中から湧き上がる言葉を自由に紡いで、書いてほしいからです。句読点の打ち方や改行、誤字については指導しますが、あとは黙って見守ります。

Aちゃんはサクサクと作文が書けるようになりました。毎回、テーマ決めには少し時間が掛かりますが、その後は、集中して一気に書き上げています。原稿用紙に向かうその姿は、真剣そのもので、集中力が高まっていることが分かります。タイトルを付けた後に、私から作文の構成や展開、内容についてお話をします。良かった所に線を引いていく作業は、とても楽しいです。

《よくできましたシール》が貼られたその作文は毎回、お母様にお渡ししていました。そして、冬休みレッスン最後の日。

『これを全部、この子が一人で書いたんですか？！お世話になっている（学校の）先生にもお見せしてもいいでしょうか？』

とっても、嬉しい言葉をもらい、Aちゃんと私はパッと目を合わせ、微笑みます。（やったね！）Aちゃんは、これまで《自分の気持ちを書くこと》が苦手でした。返却された国語のテストを見ても、漢字や言葉の意味、文章題は全てできているのですが、《感想》や《この時のあなたの気持ちを書きましょう》という問いに対しては、空白のまま、あるいは、一度書いてから消した跡が残っていました。お母様はずっと気にされていましたが、毎回、私に色々なお話をしてくれるお子さんですし、会話の中にはちゃんと、《自分の気持ち》が込められているので、きっと、文章でも表現できるはず！と信じてきました。

ある日の日記（宿題）にはこう書かれていました。

きょうは、せんせい（＊担任の）がお休みでした。うれしかったです。かわりのせんせいがきて、やさしかったです。またきてほしいです。（中略）

この文章を読んでどう思われますか？特に、担任の先生がお休みで、《嬉しかった》という点については、私も一瞬『？』驚きました。でも、それが素直な気持ちです。私は、正直な気持ちを書いたことを褒めました。もちろん、担任の先生の前でそういったことを口にしてはいけないことは、本人も分かっているはずですし、そのような子でないことはよく知っています。もしかしたら、この時、お子さんは私を試していたのかな？…と今になって思います。

『自由に書いていいよ』『あなたの気持ちを書いていいんだよ』

大人たちは、本心でそう言っているのかな？どこまでが許されるのかな？私自身、考えさせられる出来事でした。

Aちゃんは今、文を書くことが楽しいようで、『先生、もう１枚、紙ある？』と書く意欲が高まっています。その勢いを大切にしたいと思っていたところ、お母様から『冬休みが明けてからも、作文の時間をレッスンに入れて下さい』とリクエストがありました。嬉しそうに私の方を見るAちゃん。（また目が合ったね！）ほんの少し、お休み明けの登校に不安を抱いていたようですが、次の《お楽しみ》も出来ましたし、いいことも、悪いことも、その想いを言葉に、そして文字にして、どんどん伝えてほしいと思います。ラッタッタッ～☆

それでは、次回もどうぞお楽しみに。