文章力を鍛えるには?~銀行の「マーケティング」と「営業企画」の教科書~
銀行では、第1線で活躍していた営業マンが、突然本部の企画部門に配属されることがあります。
彼らのよくある悩みが、「どうすれば文章がうまくなるのか・・・」。
うーん、これは永遠の課題。
私も、未だに「文章が稚拙」と指摘されることがあり、修行中の身です。
苦節20年、私自身が悪戦苦闘した中で、「これは効果があったかも」という”文章力特訓法”をご紹介します。
おすすめの”文章力特訓法”
その1 中期経営計画を丸暗記する
文章は、「企業文化」そのもの。
銀行は、かつて大蔵省や日本銀行からの天下りの経営者が多かったですよね。従って、銀行の文章は非常にお役所的であると言われます。
正確な文章をわかりやすく書くことは、「役人」の基本であり、「銀行員」の基本でもあるのです。
銀行の文章で、もっとも熟慮して書かれた文章とは?
それは、「経営理念」や「ビジョン」であり、「中期経営計画」ではないでしょうか。
本部の企画担当者は、この「中期経営計画」を丸暗記するくらい、繰り返し読み込み、記憶してほしいと思います。
その結果、自然と企業文化に根付いた文章力が身につくことにつながります。
その2 地方銀行協会の例会資料を読む
毎月1回、地方銀行協会(地銀協)で、全国の地銀頭取が一堂に会し、会議が行われていることをご存じですか?
地銀をとりまく様々な課題や問題について、地銀協から、各行頭取へ情報提供が行われています。
さすがに、60名を超える頭取級の会議。文章はよく推敲されており、複雑な問題も非常にわかりやすく説明されています。
私は1年間、地方銀行協会の業務に携わったことがあります。その際は、地銀協職員のみなさんの文章の質の高さには、大変驚かされました。
例会資料が手に入りにくい場合は、地銀協が発行している各種レポートを読んでみるのもお勧めです。
その3 文章が上手い人のワーディングを記録する
みなさんの近くには、文章の上手い達人のような人はいませんか?
かつて、私の周りにもすごい先輩がおられ、先輩の書かれた文章をノートに記録していました。
「不退転の決意で、営業推進に邁進し・・・」
「不退転の決意」も「邁進」も普段は使わないですよね(笑)
業務外ではありますが、最近、印象に残った言葉はスマホに記録するようにしています。
例えば・・・
「コロナの壁に阻まれた時は過ぎた」
かっこいい。いつか使ってみたい。
また、村上龍さんの次の文章も響きました。
これだけで、文章がうまくなる!3つの秘訣
さて、博報堂のスピーチライター、ひきたよしあきさんの本「短くても伝わる文章のコツ」に、非常に参考になることが書かれていましたので、いくつかご紹介します。
(➀②は、本に書かれていた内容です)
❶1文を40字以内にする
わかりやすい文章のポイントは、とにかく1文を短くすること。
枝葉を切って、40字以内にすることで、非常に読みやすくなります。
また、13字以内のタイトルをつけると、さらにわかりやすくなります。
本章の❶~❸にも取り入れてみました。
❷接続詞「が」を使わない
接続詞の「が」が入ると、文章が冗長になりがちです。
例えば、次のような文章があったとします。
「が」が入ることで、文章が冗長になりますよね。また、ちょっと言い訳がましく感じませんか?
まずは、「が」をとってみましょう。
なるほど、これだけでも、かなり読みやすくなりました。
ちなみに、私ならこう書き換えます。
おそらく、この文章は上長宛の文章です。だとしたら、上長が何を知りたいかを考えながら、簡潔にまとめることがポイントです。
➀まず「結論」を書くこと、②目標未達の「要因」を書くこと、③どう「改善」するのかを書くことを意識してみました。
❸GPTさまにお願いする
神さま、仏さま、GPTさま。
GPTさまのおかげで、仕事がずいぶん捗るようになりました。
私は、株主総会の想定問答を作成する業務などで、大変助けられています。
ご存じの通り、GPTさまは文章を要約することが非常にお得意。
②で最初にお示しした文章を、
「経営向けの次の文章を、わかりやすい文章に書き換えて」
とお願いしてみました。
うーん、さすが!ほぼ完ぺきではないですか!!
文章を作るとき、GPTさまの力を借りない手はないですね。
おわりに
今回は、ほぼすべての人が一度はつまずく、「文章力」の鍛え方を取り上げました。
GPTさまが素晴らしい文書を書いてくれるとはいえ、自分で「簡潔で分かりやすい文章を書ける力」はしっかりと身に着けたいものです。
私自身も日々修行中ですので、「こんないい方法があるよ」って方、ぜひ教えてください!