対称式がらみの2変数関数の最大最小で困ったらx=yのときとすれば高確率で正解できる理由【毎日投稿11日目】
連続投稿ですが「書き溜め」はしていません(できていないだけです)。
今日は書き始めが23時すぎでしたので、時間との戦いでした。
さて、今回は「大学入試の数学の問題で困ったときのあるある対処法」について解説します。
焦ったせいかタイトルが長くなりました。
具体例と反例
正しい解き方は多種多様あります。
しかし、今回は「解き方が分からなくて、とりあえず答えを書いておくなら?」という視点で考えます。
早速、 $${x=y}$$ としてみましょう。
このとき、$${x^2 +y^2=1}$$ という条件も合わせると
$${\displaystyle x=y=\frac{\sqrt{2}}{2}}$$ もしくは $${\displaystyle x=y=-\frac{\sqrt{2}}{2}}$$
となりますが、それぞれがきちんと $${x+y}$$ が最大もしくは最小をとるような $${x,y}$$ になっています。
他にも次の問題のように
「条件式および最大最小を考える多変数関数が対称式となっている問題の一部」では同様の結果を得ます。
もちろん、万能ではありません。
上の問題では最大値は1です(円の媒介変数表示を使って一変数関数で考える等の解法があります)が
$${\displaystyle x=y=\frac{\sqrt{2}}{2}}$$ や $${\displaystyle x=y=-\frac{\sqrt{2}}{2}}$$ のときは最大値の1にはなりません。
あくまで、「解き方が分からないときとりあえず答えを埋めるなら?」という使い方しかできません。
実は大学で学ぶ数学が絡んでいる
ラグランジュの未定乗数法
大学1年生で学ぶ微分積分学の中で「ラグランジュの未定乗数法」というものがあります。
厳密な条件等を割愛すると
上記のような感じです。
そして $${f,g}$$ が対称式であれば、
$${a=b}$$ のときは
$${(x,y)=(a,b)}$$ で $${\displaystyle \left( \frac{\partial g}{\partial x},\frac{\partial g}{\partial y} \right)=\lambda\left( \frac{\partial f}{\partial x},\frac{\partial f}{\partial y} \right) }$$
となる $${\lambda}$$ が存在します。
※必要十分条件とは限りません。
このことの証明は割愛します(後日メインサイトの方できちんと書くかもしれません)。
上の具体例で検証してみます。
$${f(x,y)=x^{2}+y^{2}-1}$$ とすると $${(x,y)=(a,a)}$$ で $${\displaystyle \left( \frac{\partial f}{\partial x},\frac{\partial f}{\partial y} \right)=(2a,2a)}$$
$${g(x,y)=x+y}$$ とすると $${(x,y)=(a,a)}$$ で $${\displaystyle \left( \frac{\partial g}{\partial x},\frac{\partial g}{\partial y} \right)=(1,1)}$$ で
$${\lambda =2a}$$ がとれます。
さらに2つの知識で確度が上がる
ラグランジュの未定乗数法に加えて
➀2次元ユークリッド空間のコンパクト集合(この場合は有界閉集合)上での連続関数は必ず最大値及び最小値を持つこと
②(微分可能などの条件のもと)最大値や最小値は極値になっている
といった専門的な知識を考えると
最大値や最小値の候補として $${x=y}$$ のときを考えるのはあながちかけ離れていないことが分かります。
まとめ
今回は時間が差し迫っている中で結構ガッツリ数学の話をしてみました。
皆さんも対称式が絡んだ、条件式つきの2変数関数の最大最小の問題がテストなどに出てきて困ったときは、とりあえず $${x=y}$$ としてみましょう。
(テスト後にきちんとした解法を復習しましょう)
普段はサイトで大学入試レベルや大学入門レベルの数学の記事を書いたり、気が向いたときにYouTubeに動画を投稿しています。
ぜひ、そちらもご覧いただけましたら幸いです。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
ギリギリ間に合いました…!