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ラストマイル(初見)超個人的感想

※ネタバレはしていませんが、鑑賞前の方は読まない方が賢明と思われます、ご容赦ください。


ネタバレしないように、と思うと、
自分がどう感じたかというところしか書けないので、ということと
初日の朝から拝見して、これはきっと今だから感じるのだということで
自分の感情整理として残しておこうとこれを書いています。
私は映画をたくさん見ている人間ではないし、
映画を語れるほどの経験もないので、
あくまで個人的なこと、そしてすごくふわっとした記録です。
なお私の中には
野木さん作品はもうものすごく好き、絶対的な信頼感、
という前提がまずあります。

これくらい書けば、最初に開いた画面で本題に触れることはないかな?
よし、じゃあ以下に…。

====

誰に感情移入するか、
自分自身をどこに位置付けるか、ということで
全く受け止めの違う映画だと思う。
自分の立ち位置というか、
それがこの映画の印象を大きく左右するんじゃないだろうか。

誰に感情移入するかで受け止めが違う、
というのは
映画にはよくある話なのだと思うのだけれど、
これだけ振れ幅があるのは
なかなか経験がない。
(単に観ている数が少ないからかもしれないが)
登場人物の誰に焦点を合わせても、
そこにその人だからこその感情や理解や思考がある、ということを
すごく納得させられるというか、
誰もが脚本の登場人物でいうところの「球体」であることにハッとする。
半円でも、平面でもなく、その人として完全であるのだ。
ごくわずかしか描かれていなくても、
この人にもこの人なりの「バックグラウンド」があるんだな、と
しっかり感じさせられるのだ。
すごい、まじで。

シンプルに、わかりやすく。
画面を見ていなくても、耳で聞けばわかる。
全部言葉で説明されてしまう、
ひどい時にはその人の感情までもが。
という風潮(視聴)に慣れた人には、
この映画はひどく厄介なものとして映るか、
ただただ楽しい大スペクタクルエンターテインメントとして映るか、
どちらかの「0-100」になるのかも。

そうでなくても、
前述した「立ち位置」によって、
楽しかった、の人もいれば
辛かった、の人もいて
考えさせられた、の人もいれば
怖かった、の人もいるだろう。

こういう世界もあるんだ、と
知らないことを知った気になるかもしれない、
想像が及んでいなかったことを
突きつけられるような感覚にもなるし、
じゃあどうすればよかったのかと
慟哭したくなる気持ちにもなる。

そして最後に残るものは
「生きていく」ということ、
もう少し踏み込むと
「自分で感じて、自分で考えて生きていく」
なのだろうと思う。

エンドロールの最後に
救いがあるようにも思うし、
逆に
あれに叩きのめされるように感じる人もいるだろう。

この最後の「やさしさ」、
これを見逃した人は
どんな思いを抱えて映画館を出るのかと、
そう思うと心がチクリとする。

すごいものを見せてもらったし、
同じ言葉の持つ意味が
映画を見る前と見た後で
とんでもなく変わっているとも思う。
意味ではなく、重さ、というべきか。

「あなたのほしいものは?」

自分がどうしたいか、
自分はどう生きていくか、
他人にどれだけ寄り添えるか、
他人のことをどれだけ想像できるか、
そういうことを考えていくという
まるで
永遠に解けない宿題を
もらったかのような気持ち。

それでもやっぱり、
What do you want?
を自分に問い続けて
命のあるかぎり
生き続けていかねばならぬのだと
それだけはひたすら
ポンコツの頭と、心に残った。

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