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図書館のお仕事紹介:イベント企画
図書館では、貸出などの通常業務の他に、定期的にイベントを開催することがあります。
たとえば「身近な材料で七夕飾りやクリスマスリースを作ろう!」といったワークショップ系や、講師を招いての講演会、映画の上映会、こども向けの紙芝居やおはなし会などです。
地味なことが多い図書館員の仕事のなかでは、イベント企画というのはわりと楽しげな業務ではありますが、やはり外部とのやり取りになるため、気を遣うこともいろいろとあります。
事前の広報活動や申し込みフォームをどうするか、ぜんぜん参加者が集まらなかったらどうするか、逆に定員オーバーしたらどうするか、講師の先生への謝礼をどうするか、資材の調達はどうするか、当日の受付と誘導はどうするか、とかですね。
おかげさまで私がこれまで経験した限りでは、どのイベントもおおむね好評で、そこそこ人も集まっていました。
ただ、課題もあります。
図書館が本の貸出以外の領域に活路を見出す傾向は今後強まっていくでしょうし、イベント企画もそのひとつでしょうが、イベントとして好評かつ盛況であればあるほど「図書館である必然性はあるのか?」という疑問が湧くことも事実です。
図書館としては、イベントをきっかけにふだん図書館に来ない人にも足を運んでほしい、図書館の資料を利用するきっかけになってほしい、という意図があります。そのために、たとえば草木染めのワークショップをやったときはがんばって草木染めの資料を展示したりするのですが、でもそれが利用されるかというとそうでもないし、イベントをきっかけに来館者数が増えるかというとそうでもない、といったところです。
もちろんイベントをやらなかったらもっと利用が減っているかもしれないので、そのへんの因果関係は何とも言えないのですが、個人的な体感としては図書館で本を借りたり予約したり取り寄せたりレファレンスサービスを利用したりするのと、イベントに参加するのとは別物であるような気もします。
それでも、心のどこかに「この世には図書館というものが存在するのだな」「図書館にはこんな資料もあるのだな」という印象が残ってくれるだけでも意義があると信じて、私たちはこれからもせっせとイベントを開催していくのです。