生きることに執着した漫画『ONE PIECE』の魅力と今からハマる方法
私には愛してやまない漫画があります。
ONE PIECE(以下、ワンピースと記載)です!!
さて、念のためワンピースとは何かをおさらいしましょう。
さすがワンピース。概要レベルじゃない情報量に歴史を感じますね…。
本日は、24年間愛読しているワンピースについてちょっと語らせてください!
※ストーリーの核心には触れないよう配慮していますが、一部の見出しでコミックス過去回に触れます。今後まっさらな状態で読むことはさすがにできなくなるため、念のためネタバレタグをつけました。
ワンピースを語ろうと思った理由
好きな作品ほど、子どもの頃の自分のように、予備知識なしで純粋な驚きと感動を味わってほしい。そんなふうに思ってしまい、ワンピースについて発信することに抵抗があった。
でも、新しい漫画がどんどん生まれては終了していく漫画大国の日本で、誰かが伝えなければ埋もれてしまう魅力もある。
私は、私をつくってくれた大好きな作品に、少しでも恩返しがしたい。
私はただ好きなだけのファンなので、たいしたことは言えないけれど、純粋なオタクの叫びを言語化してみようと思う。
生き抜く覚悟と希望を見せてくれる漫画【注:過去回ネタバレあり】
ワンピースの良さといえば「考察で盛り上がれる」「憎めないキャラが多い」「名言で感情が解放される」ことだ。
個人的には、ワンピースは以下の1.2.3を無限ループするような漫画だと思っている。
10年や20年越しにサラッと伏線回収される、緻密なストーリー
そんなストーリーに説得力をあたえるキャラクター設定
そのキャラクターが放つ名言
20年以上読んできて感じたのが、ワンピースの根底には「死生観」みたいなものが横たわっていること。私はおそらく、ワンピースの生死の描き方に惹かれている。
海賊が主人公のワンピースでは、戦いの場面が多い。でも、20年以上の壮大な物語にもかかわらず、確実に亡くなるキャラクターはそれほど多くない。
ワンピースに登場する敵は、基本的に「ブッ飛ばされる(倒される)」のであって「殺される」わけではないからだ。
敵味方に関わらず見かけなくなったキャラクターが扉絵に登場することもあり、ほっこりすることも。
注意※ここから先は、過去のワンピースのストーリーに触れるので未見の方はご注意ください。
ワンピースでは、生きることへの執着がたびたび描かれている。
心優しき料理人、サンジ。彼が働くレストランが敵に襲撃された際、恩人のために命を張ろうとするサンジに、その考えは違うと言うルフィ(単行本・第七巻)。
故郷の国を救うと決めた王女に対し護衛隊長は、死なない覚悟を問いかける(単行本・第十四巻)。
命の危機が迫りながらも現実逃避をする人々に、自分の命を守るには行動しかないと訴える島の住民(単行本・第三十巻)。
これら以外にも、音楽家・ブルックがルフィたちと出会って静かに感情を爆発させるシーンや、ワノ国で侍たちの考えにウソップが異論を唱えるシーンなどがある。
ここからわかるように、ワンピースは「生きること」「生き抜くこと」に真摯に向き合っている漫画だと私は思っている。
読んでいると、まるでそんな声が聞こえてくる。
汗水垂らして働いたり、鼻水垂らして泣いたりしながら生きるのって、はっきり言ってカッコ悪い。
でも私はなんかそういうの好きだ。泥臭くてもカッコ悪くても生き抜くって、カッコいいなあと思う。
もちろん死に直面するキャラクターもいる。でもその多くが、天命のようなものを全うして亡くなるせいか、不思議と絶望を感じにくい。
ワンピースで死を免れないキャラクターというのは、残された人が道に迷わないための光じゃないかと思う。
これが人の痛みを自分のことのように感じやすいHSP気質の私でも、安心して読み続けられる理由のひとつだ(回想シーンだけは毎回むせび泣く)。
そう考えると、ルフィの心理状態が珍しく言語化されたエニエス・ロビー編の描写に納得がいく。
これまでは、ある意味で死を否定してきたルフィ。そんな彼がはじめて死ぬまで戦う意志をみせたのは、それだけ仲間の存在が大きかったということなんだろうな。
「信者だ」「盲目だ」と言われるのを承知で書くけれど、これほど自分の感情を揺さぶり、人生観に影響をあたえてくれる漫画は今後でてこないかもしれない。
気づいたら、自分にとってワンピースはそれほど大きい存在になっていた。
面白くないなーと思って途中で辞めちゃった人は仕方がないけれど(感性の不一致はどうしようもないよね)、「気になるけど手を出せてない」「今さら感がある」という、ワンピース潜在読者っているのかな?
ワンピースは名言製造マシーンなので、電子書籍でもアプリでも何でもいいので、できれば一度は原作に触れてほしいな(アニメだと聞き逃してしまうこともあるので)。
とはいえ、あと一歩が踏み出せない人のために、今からでも間に合うワンピースの楽しみ方を勝手に考えてみた(笑)。
今からでも間に合う(?)ワンピースの楽しみ方
①とりあえずストロングワールドでワンピースを体感すべし
まずは2009年公開の映画『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』を観ましょう(あらすじはこちら)。
『ONE PIECE FILM GOLD』もおすすめではあるけれど、個人的に一番ザ・ワンピース!!な映画はストロングワールドかなと思います♪
↓
映画を観て「ワンピース面白い!!」と思えたら、次のステップへ。
ネタバレに抵抗がある人はAへ
ネタバレに抵抗がない人はBへ
リアルタイムでワンピースを追いたい人はCへ
A:ネタバレなしでコツコツ楽しむ
電子書籍で購入して1話から読む
ワンピースの単行本を持っている人に借してもらい、1話から読む
単行本が置いているカフェや図書館を探して通う
核心的なネタバレは避けてくれる善良な友人に解説してもらう
映画のエピソードオブシリーズを原作に沿った順番で観る(作品のあらすじはこちら)
B:ネタバレ覚悟で楽しむ
YouTubeにて配信されている【ANYTIME ONE PIECE】でアニメを途中から観る(運とタイミングによっては、一巡して最初から視聴できるかも)
公式YouTubeなどで歴代ナレッジキング(知識王)の話を聞いてみる
気になったシーンやセリフがでてくる回の原作を読む
②いろいろ試してハマれそうなら原作の大人買いを推奨
AとBのあとにアラバスタ編(~23巻)の原作を買う
↓
アラバスタ~!!!ってなったら、さらにエニエス・ロビー編(~45巻)までを買う
↓
それ以降は個人の感性に従えばオーケーです!
※ちなみにワノ国編のアニメは、戦闘シーンの迫力が素晴らしいです!
その意味では、ワノ国編はアニメを中心に視聴しつつ、原作は知識やストーリーを補完する目的で読むのも楽しいかと思います。
ワノ国編はびっくりするほど壮大な物語ということもあり…柔軟に対応しましょう!笑
C:今からリアルタイムのワンピースに追いつくには
ONE PIECEポータルサイト「ONE PIECE.com」にて、これまでのあらすじを、ありったけの集中力で読み込む
リアルタイムでアニメや原作を追う
番外編:途中で脱落してしまったけど、また気になり始めた人へ
連載25周年記念の動画を観る
タイムマシーン3号のワンピース漫才を視聴(イーストブルー、アラバスタまで知ってる人はぜひ)
とりあえずウィーアー!を聴く
Netflixで実写版ワンピースを観てみる
読み切り短編集『WANTED!』を読む
これらを試して読みたい欲が高まったら、原作の続きを読みふける
番外編:「追いつくの無理じゃね?」とあきらめモードの人へ
ごもっとも!!笑
とはいえNetflixユーザーの皆さんには希望(?)があります。
Netflixにて新アニメシリーズ『THE ONE PIECE』が公開されるそう。イーストブルー(東の海)編を描くとのことで、これを観てワンピースの基礎を押さえるのもアリかも?
ちなみに携わるスタッフは、誰もが知るあんな作品やこんな作品のクリエイター陣。とりあえずスタッフクレジットを確認してみてください〜!
本記事で紹介したワンピース関連作品
原作コミックス
読み切り短編集
『WANTED!』
映画
『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』
Amazon Primeビデオで視聴できます。(2024年9月末時点)
ループ配信中のTVアニメ
ANYTIME ONE PIECE
8月17日分まで配信スケジュールが発表されています。なんだか夏フェスのタイムテーブルのよう…(笑)
あとがき
思い返せば、はじめてスペルをまともに覚えた英単語は「ONE PIECE」でした(笑)。
それほど自分の人生に彩りをあたえてくれた漫画なのに、自分がワンピースに惹かれる理由はずっと漠然としていました。
ワンピースファンだけれど今まであまり語れなかった一番の理由は、ほかでもない自分のメンタルの問題です。
本質的なことを語るには、絶望感や無力感、喪失体験など過去のつらい思い出と向き合わざるを得ない…。ワンピースはあまりにも私の人生と紐づいていました。
過去の記憶を思い出すのが怖かったけれど、心のひっかかりをそろそろ解かなければと思い立ち…。数ヶ月…数年ぶりかもしれません。やっとワンピースをまともに読み返せるようになり、うれしく思います。
読んでくれて、どうもありがとうございました!