「創造的復興」とは何か
「創造的復興」とは、被災地を元の姿に、被災者の生活を災害以前の元通りに戻すことではなく、未来思考で新しい地域の形を、コミュニティを創造することを意味する。そして「人間の復興」とは、街や建物などのハードウェアの復興でなくそこに生活する住民、市民の生活が復興することを意味している。
そのためには、未来に向けてこの被災地がどのような社会を目指し、どのような生活の形を志向するか、その理想像を住民中心で、主体的に議論して、合意形成していく過程が望ましく、それが民主主義の社会における理想的な形であり、これをリスクコミュニケーションという。
その「復興の合意形成」には議論と手続きの手間と時間がかかる。共助型が理想的であるが、その議論のプラットフォームやプランは、自治体や研究機関、メディアが協力する必要があり、そのプロセスをマネジメントすることが自治体や政府の役割である。
創造的復興のためには、それらステークホルダーが助け合いながら、住民主体の合意形成のリスクコミュニケーションを始めなくてはならない。
(※この記事は朝日新聞デジタルで日本大学危機管理学部・福田充研究室がコメントプラスしたものを転載したものです。)