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そして土になる~第58回Book Fair読書会
ざわつきは、心の栄養だ!!!
今回の読書会は、おかげさまで満席!
初参加4名を含む、9名で開催しました。
今回は「食に関する本」と「心がざわつく本」が多く紹介されました。
(両方を満たす本も)
帯の”つながり”も楽しく、テンションの落ちないひとときになりました。
それでは、本と帯の紹介をどうぞ!
KENさん(13):J.R.R.トールキン(訳:瀬田貞二・田中明子)『指輪物語 王の帰還』
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世界を救うため、指輪を捨てなければならないという正義感(規律)。
一方で、指輪の魔力に魅せられ、浮かんでくる欲望。
その心の葛藤が、モチーフとなっているファンタジーです。
個人的には、終盤で重要性を増してくる小鬼の存在が印象的でした。
とても長い作品のため、読み切れない方には映画版もオススメします。
はせがわさん(2):古内一絵『女王さまの夜食カフェ マカン・マランふたたび』中央公論新社
![](https://assets.st-note.com/img/1700488765559-rv0QUs3ET3.jpg?width=1200)
お腹の中から元気になって、それぞれの明日へ向かう。
いつもは”マクロビ派”のシャールさんが作る
出来合いのトルコライスには
「完璧じゃなくてもいいんじゃない?」
というメッセージを感じました。
図書館の予約が待ちきれず、
購入してしまったほど大好きなシリーズの第二巻です。
Mariさん(2):松原タニシ『恐い食べ物』二見書房
![](https://assets.st-note.com/img/1700488798700-UzgVzu4h0j.jpg?width=1200)
人が死んで、数年そのままだと、どうなる?
答えは・・・「土になる」!
”事故物件住みます芸人”の筆者は、その土を回収し、
相当変わった行動に出ます。
本を読みたい、でも頭を使いたくない時、テレビみたいに楽しめる。
日記のようで、雑学もある本です。
こーせーさん(49):高瀬隼子『おいしいごはんが食べられますように』講談社
![](https://assets.st-note.com/img/1700488872012-8BBndtoxfG.jpg?width=1200)
純文学、かわいい表紙、「おいしいごはん」が出てきそうなタイトル・・・なのに、あまりよくない読後感でした(笑)。
「体調不良です」と早退した人が、翌日に手作りお菓子を振る舞う。
本当は感謝などしていないのに、「ありがとう」と受け取る。
ドロドロを抱えながら回る彼らの職場に、違和感を覚え、考えさせられました。
まさおさん(初):イーライ・ブラウン(訳:三角 和代)『シナモンとガンパウダー』創元推理文庫
![](https://assets.st-note.com/img/1700488949521-Lu0nGxkOVu.jpg?width=1200)
19世紀のイギリス、女船長率いる海賊に捕らわれた料理人。
生き延びる術は「ありもの極上料理」!
貴族から海賊へ、主人が変わることで世の不条理を知る。
女船長と打ち解け、次第に感化されてもいきますが・・・
今は忘れ去られし、歴史の転換点を生きた人々のサバイバルが面白いです。
とねんそうさん(初):朝井リョウ『正欲』新潮社
![](https://assets.st-note.com/img/1700488983154-3lW2MocooY.jpg?width=1200)
ポジティブに語られがちな「多様性」。
でも、多様性は考えれば考えるほど”何でもあり”。
そこには、ダークサイドも存在するんだよと、
この世界に釘を刺すような物語です。
私が多様性に対して持っていた問いに、
ひとつの正解を示してくれる小説でもありました。
10年前でも、20年後でもなく。
”今”映画化されて話題を呼んでいることに、大きな意味のある作品だと思っています。
あべさん(初):デュ・モーリア『レベッカ』(訳:茅野美ど里)新潮文庫
![](https://assets.st-note.com/img/1700489031666-tNNlwww9oa.jpg?width=1200)
最初に読んだのは、中学生の頃。
その時は、ひたすら「屋敷のご主人がカッコいい!」と、読みながら恋してしまいました。
だから、大人になってからヒッチコックによる映画を観た時は「えっ、ミステリーになってる」と驚きました。
そして、舞台化をきっかけにまた読み直すと、今度は後妻の「わたし」にとても共感したのです。
私にとっては「色んな読み方ができる」ところが面白い作品です。
みゆきさん(初):川瀬七緒『法医昆虫学捜査官』講談社文庫
![](https://assets.st-note.com/img/1700489165891-xtaNGDOBmy.jpg?width=1200)
主人公は、遺体に群がる昆虫を通し、死亡時刻や死因を調べる「法医昆虫学者」。
警察内では新参者ゆえの反発も受けますが、
パートナーである警部補に助けられながら、結論に近付いていきます。
色んな虫が登場し、普通の殺人事件を猟奇的に変えてしまうところが面白いシリーズです。
ただし、虫(の解剖)の描写はとっても気持ち悪いので、
ご飯を食べながら読むことはおすすめできません・・・
ふっかー(58):貫井徳郎『微笑む人』実業之日本社文庫
![](https://assets.st-note.com/img/1700489195480-Iwxy9rdslr.jpg?width=1200)
本が増えすぎて家が狭くなったら、あなたはどうしますか。
このミステリーの主役・仁藤さんが取った行動は「妻子を殺す」でした。
いつも優しく、人望の厚いエリート銀行員が何故、殺人犯に?
重大事件が起きると、私たちは裏側にある理由を知りたくなります。
しかし、本当は「理由なんてない」のかもしれません。
参加してくださった皆さん、本当にありがとうございました!