反射防止コーティングって必要なの?レンズのコーティングについてドイツの眼鏡士が解説
こんにちは、ベルリンにいる眼鏡士のユータローです。
眼鏡屋でフレームを決めて視力検査をしたあとは大体、様々なレンズの種類やコーティングを提示されて選択を迫られます。なんだかわからないので予算に合った適当なものを選んでしまうのではないでしょうか。
今回はレンズのコーティングについて解説します。
白く反射しない、傷つきにくい、拭きやすい
コーティングのないプラスチックレンズは光を白く反射して、安っぽく見えます。また、鋭いものに当たると簡単に傷がつき、レンズについた油が拭き取りにくいです。
種類は主に三つ、反射防止、汚れ防止、傷防止
レンズは製造されたあとに大きな機械でコーティング物質を当てられ、薄い均等な膜が張られます。
レンズ素材から、傷防止コーティング、反射防止コーティング、汚れ防止コーティングの順番に重ねられます。
反射防止コーティングはレンズの(屈折率)に合わせて、狙った効果の得られる屈折率の素材と厚さで張られます。
反射防止コーティングのメリットー綺麗に見える、見えやすい。
電磁波である光は波の形で進んでいます。反射防止コーティングは、レンズに当たって反射した波と、コーティングの厚さと素材を通した波が打ち消し合い(相殺的干渉)、結果的に反射光が減少することができます。以下の図をご覧ください。
反射光が減少することにより、他人から見てメガネをかけている人の目が白い光に邪魔されずに見えやすくなります。
またとても重要な点は、使用者も後ろからの邪魔な反射光が目に入らないので、視力が良くなることです。特にサングラスの場合、暗くなった視界に後ろからの眩しい反射光は邪魔なので、反射防止コーティングを施す選択肢があるならばお勧めします。
汚れ防止コーティングは文字通り、表面をより滑らかにして、水や油を弾くようにし汚れをつきにくくします。
傷防止コーティングも文字通り、硬めの膜を張りレンズを傷つきにくくするものです。レンズの上の傷は外からも内からも目立つので、このコーティングもプラスチックには必須でしょう。
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