ユータロー@ドイツ・マイスター眼鏡士

ベルリンにいるマイスター眼鏡士/眼鏡デザイナーです。2021年マイスター試験合格。3Dプリント技術を使って世界で一つのオーダーメイド眼鏡も作ってます。国際基督教大卒トリリンガル

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これからのメガネ、3Dプリントメガネの良さードイツの眼鏡士が解説

こんにちは、ベルリンにいる眼鏡士/メガネデザイナーのユータローです。 3Dプリントで作られたメガネが、すでに売られていることをご存知でしょうか。かくいう私は、ベルリンのFRAMEPUNKという眼鏡屋で眼鏡士として働きつつ、デザイナーとしても3Dプログラムを使い、3Dプリンターでメガネをプリントして販売しております。これが私の強みです。 今回はこの3Dプリントメガネの概要、今後の展望、希望について書きます。 素材を一層ずつ積み重ねて印刷するのが、3Dプリント3Dプリントと

    • 曲げにくそう・・・扱いづらいと思うメガネードイツの眼鏡士が解説

      こんにちは、ベルリンにいる眼鏡士/メガネデザイナーのユータローです。 今回は店と巷で見かける、眼鏡屋がフィッティングで苦労しそうなメガネの構造について短く書きます。これを選ぶと100%のフィッティングができないかもしれません。次メガネを買うときの参考にしていただければ幸いです。 モダンの終わりのデザインで、先が内側に向いている以下の図のようにモダンの先が内側に向いてしまうと、耳の根っこにあたって痛いです。以前の記事に照らし合わせてみたとき、もし頭が長くてモダンの曲げ位置が

      • ドイツの職人育成制度ー修業真っ只中のドイツの眼鏡士が解説

        こんにちは、ベルリンにいる眼鏡士のユータローです。 ドイツと聞くと、産業、工業が強いというイメージと結びつけて考えられる人が多いのではないでしょうか。実際ドイツの産業は車をはじめに、世界的に強いです。これにはちゃんとした社会制度的な背骨があります。 ドイツには社会全体で手工業従事者を育てる制度があるのです。 Duale Ausbildung-ドゥアレアウスビルドゥングこの育成制度のことをAusbildung(アウスビルドゥング)と言います。Bildungは教育を意味しま

        • 反射防止コーティングって必要なの?レンズのコーティングについてドイツの眼鏡士が解説

          こんにちは、ベルリンにいる眼鏡士のユータローです。 眼鏡屋でフレームを決めて視力検査をしたあとは大体、様々なレンズの種類やコーティングを提示されて選択を迫られます。なんだかわからないので予算に合った適当なものを選んでしまうのではないでしょうか。 今回はレンズのコーティングについて解説します。 白く反射しない、傷つきにくい、拭きやすいコーティングのないプラスチックレンズは光を白く反射して、安っぽく見えます。また、鋭いものに当たると簡単に傷がつき、レンズについた油が拭き取り

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        • メガネの雑学
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          メガネの扱い方ードイツの眼鏡士が解説

          こんにちは、ドイツの眼鏡士/メガネデザイナーのユータローです。 前回はメガネの歪みについて解説しましたが、今回はメガネの扱い方について解説していきます。 街を歩いていると、ああ、だめ!と言ってしまいたくなるようなメガネの扱いを見ます。 フレームは優しく扱うフレームは特殊な素材でできていない限り、力や熱で元の形状から変化します。なので当たり前のようですが、優しく扱いましょう。 カチューシャみたいに、頭にかけないよく街中で見るのはサングラスを頭にかけている人たち。老眼鏡も

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          メガネの歪み、その種類ードイツの眼鏡士が解説

          こんにちは、ベルリンの眼鏡士/メガネデザイナーのユータローです。 メガネを長い間かけていると、物に当たったり曲がったりして、どうしても歪みが生じてしまいます。しかし慣れてしまえばそれが普通になってしまい、視力矯正効果が減っているのに気がつかず生活してしまっているかもしれません。 今回は、眼鏡屋へ調整してもらうといい歪みについて解説していきます。 まず、ひっくり返して机の角に当てるどう歪みを検証するのか。メガネをひっくり返して両枠を直線の机の角に当てます。垂直に上から見て

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          似合う眼鏡の選び方、補足ードイツの眼鏡士が解説

          こんにちは、ベルリンにいる眼鏡士のユータローです。 前回は似合う日常用のメガネについて解説しましたが、選ぶ際に気をつけるのはそれだけじゃありません。今回は前回書き損ねた重要な点について、図を交えて書きます。 ブリッジの太さブリッジとは左右の枠をつなぐ部分です、そして目と目をつなげるものでもあります。ここで注意するのは、ブリッジが目に対して太すぎないことです。 目と目が近い人にが太いブリッジのあるメガネをかけると、目がくっついているような印象を与えてしまいます。この場合、

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          見つかる!毎日かけても飽きないメガネは、消去法で選ぶードイツの眼鏡士が解説

          こんにちは、ベルリンにいる眼鏡士のユータローです。 眼鏡屋の棚に陳列されているメガネを片っ端からかけて似合う、似合わないと試す方は多いです。しかし、多くかけすぎると、売り場で香水を試しすぎて匂いがわからなくなるのと同じで、何が似合っているのかわからなくなってきます。 私の顔はこうだからこのフレームはダメだな、というように物差しを使い、当てはまらないメガネを最初から外していくと、選択肢がうまく絞り込まれ、いいメガネが見つかります。 今回は日常生活用のスタンダードなメガネの

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          メガネのツルは頭の形に沿っているか、傾きは合っているか。地味だけど大事-ドイツの眼鏡屋が解説

          こんにちは、ベルリンにいる眼鏡士、メガネデザイナーのユータローです。 前回はメガネが痛くなる、ずり落ちる理由を解説しましたが、今回はまたフィッティングの大事なチェックポイントである、ツルの弧形とメガネの傾きについて解説します。 なんとなくかけ心地が良くない、見え方が悪いというのはこれらが原因かもしれません。 ツルは頭の形に沿っているかドラマや街中でよく見かけるのは、ツルがこめかみに食い込んでいるところ。これは頭の幅が広いのに対し、ツルが真っ直ぐで狭いからです。こめかみ周

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          強度近視のメガネは、小さい方が見栄えがいいードイツの眼鏡士が解説

          こんにちは、ベルリンにいる眼鏡士/メガネデザイナーのユータローです。前回はメガネが痛くなる/滑る理由について書きましたが、今回はもっとニッチなテーマです。 メガネを選ぶ基準は、似合う、似合わないだけではなく、もっと複雑なものです。プロは、個人個人の視力、レンズの種類、鼻の形/高さ、目と目がどれだけ離れているか、などなどあらゆる要素を考慮して一本のメガネを選びます。 強度近視の人のためのメガネを選ぶ基準について解説します。 強度近視用のレンズは端が分厚くなる強度近視とは、

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          13歳からのハローワークに眼鏡屋って職業ないやんけ。

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          なぜメガネが痛い/ずり落ちるのかードイツの眼鏡士がわかりやすく解説

          こんにちは、ドイツにいる眼鏡士、ユータローです。 メガネをかけている人が一度は経験したことがある、メガネがずり落ちる問題。夏に汗をかくと、滑って特にひどいですよね。 また逆に、落ちる気配はないけれど長時間かけていると耳が痛い、ひどい場合は頭が痛いという場合があります。 これは眼鏡屋によって正しいフィッティング(調節)がなされていないからです。これがなぜ起きるのか、図を交えて解説します。まずは、なぜ痛くなるのか。 カナメはツルのモダンが耳に沿っているかツルとはメガネの二

          なぜメガネが痛い/ずり落ちるのかードイツの眼鏡士がわかりやすく解説