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第3回:FP&Aの現在地と今後の展望

皆さん、こんにちは。財務経理本部長の益田です。
第1回、第2回とこれまでの連載企画の中で、データドリブン経営に向けたファイナンス部門の変革に始まり、FP&A組織の発足とその裏話などをご紹介してきました。
今回はいよいよ最終回となる第3回目。富士通におけるFP&Aの現在地と今後のビジョンなどご紹介します!


FP&Aにより見えてきた課題

FP&Aの組織が発足してからまもなく2年が経とうとしており、これまで見えなかった課題も浮き彫りになってきました。例えば、データの質のばらつき、データ分析スキル不足による分析精度の限界、そして、一部の担当者への依存などです。これらの課題を解決するため、データガバナンスの強化、人材育成プログラムの充実、そして、業務プロセスの標準化などを継続的に進めています。
 
ここで、FP&Aの組織発足後のメンバーの声をご紹介します。

👉 改善されたと感じること
データに基づいた意思決定が促進され、経営の透明性が高まった。
・迅速な情報提供により、経営層の意思決定スピードが向上した。
・事業部門との連携が強化され、相互理解が深まった。
・新しいツールや手法の導入により、業務効率が向上した。
・若手メンバーの定着!これは大きな変化と感じている。
・FP&Aという職種を希望する人が増えている。

👉 改善の余地ありと感じること
データの質のばらつきやデータガバナンスの課題が残っている。
・一部の担当者に依存している。
・データ分析スキルを持つ人材の育成が追いついていない。
・データドリブン経営のメリットを全てのメンバーが理解しているわけではない。

続いて、自組織以外の社内の声をご紹介します。
👉フロント部門
「現場の定型業務を効率化して、よりお客様のために仕事ができるようにする」という言葉は、本当に実感できるレベルになっていると思う。最近、ファイナンス部門の取り組みは2~3歩ほど先にいっていると感じることが多い。』
 
『FP&Aの取り組みは大変興味深い。富士通で働いていてよかった。』
 
👉経営者層
『実際にFP&Aに取り組んでいる社員が社内で実践していることをお客様に語るのは価値がある。先方の社長にとても感謝された。ファイナンス部門の人をもっと積極的にお客様のところに連れていくべき。』
 
『売上や損益リスクの状況が可視化できるようになったことは大きな成果で評価できる。AIも含めてデータ利活用をどんどん進めてほしい。』

このような社内からのフィードバックを積極的に取り入れることで、FP&A組織の改善を推進しています。経営層からのお客様先にファイナンス部門が同行するべきという声に対しては、即座にアクションに移しており、現在、フロント部門と一緒にお客様先に行き、富士通やファイナンス部門の変革を説明する活動にも力を入れています。実際にこのような評価をいただいています。

👉大学病院関係者
富士通と一緒にDXを進めたいと思った。DXや価値創出の分野に一緒に取り組めればと思っている。
 
👉上場会社 CFO
DXやFP&Aの推進にあたり、全体構想デザインから細部の取り組みまで実に一貫性があり、さらに益田さんの熱量から推進力と共感・巻き込み力も重要な要素であると感じた。
 
👉上場会社 社長CEO
富士通は伝統的な日本企業というイメージで、あまり変革が進んでいるイメージがなかったが、そのイメージが180度変わった。あらためて詳細な話を聞きたい。

FP&Aの組織発足以降の体制強化

2023年のFP&A組織の発足以降、体制強化にも取り組んでいます。具体的には、専門性や役割を明確化し、データドリブン経営を支援するための分析専門チーム、ビジネスパートナーとして経営改善の提案するチームなどを設置しました。これにより、専門性を活かした効率的な業務遂行と、事業部門への効果的なサポート体制を構築することができました。また、グローバルな連携強化にも注力し、各拠点間の情報共有と協調体制を構築しています。
さらに、AIを活用したより高度な予測モデルの構築や自動化ツールの導入を進めています。例えば、売上予測モデルにAIを導入することで、予測精度を向上させ、より高精度な経営計画の策定に貢献しています。 今後は、AIによる異常検知機能の導入や、自然言語処理技術を活用したレポート作成などを検討しています。
AI活用を進める上で重要なのは、AIの出力結果を正しく解釈し、ビジネス上の意思決定に繋げるためのスキルを持つ人材の育成です。
富士通におけるファイナンス部門の役割は、単なる経理処理から、データに基づいた経営戦略立案、意思決定支援、そして、事業部門へのコンサルティングへと大きく変化しています。 求められるスキルも、ファイナンスの専門知識に加え、データ分析力、ビジネス理解力、そして、コミュニケーション能力など多岐に渡ります。
その中でもFP&Aにとって、もっとも大事なことは、「課題設定力」と「提案力」となります。
そこで私益田が自ら塾長を務める「FP&Aリーダー養成塾」を開講し、課題設定力や提案力を強化する講義を実施しています。データ利活用が進んでも、そこから何が言えるのか?真の課題は何かまで突き詰めて初めてFP&Aとしての価値がうまれます。単なるデータ分析屋とならないために、何を解決したいのかを打ち出す「課題設定力」、それを実行するための「提案力」をここで学び、富士通の変革をファイナンス観点から支える次世代リーダーを養成します。

富士通のファイナンス部門は、「専門性を活かした戦略立案とガバナンス構築を行うCoE(Center of Excellence)」「ビジネスパートナーとしてデータドリブンで事業貢献するFP&A」「OneERP+を中心にグローバル標準の高品質プロセスを実行するOperational Excellence」の3つのピラーを強化することで、企業価値の最大化を目指しています!

私たちファイナンス部門のビジョンや目指す姿を動画にまとめていますので、ご覧ください。

おわりに

私は、「果敢に試し、自信を持って変革し続ける」組織文化の醸成を重視しています。そのため、一人ひとりが主体的に行動し、失敗を恐れずに挑戦できる環境づくりに力を入れています。 また、グローバルな視点を取り入れ、世界を舞台に活躍できる人材育成にも注力していきます。
2030年には、非財務指標を追いかけることを大事にする会社へと変革を遂げたいと強く思っています。
財務指標だけでなく、その源泉となる非財務指標とつながりを明らかにし、データドリブン経営を推進することで、富士通の持続的な成長に貢献することを目指しています。
富士通の変革が波及して、業界、さらには日本企業を元気にするべく、私たちと一緒にチャレンジしませんか!?
 
全3回にわたってご紹介させて頂きました富士通のデータドリブン経営に向けたファイナンス部門の変革は、まだまだ旅の途中です。これからも変革・挑戦を続ける富士通にご期待ください!


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