ChatGPTで物語を創作してみた〜解説編〜
1.はじめに
ChatGPTに自分の転職記を創作してもらった
「ChatGPTに物語書いてもらいたいな〜…。」
というわけで、今回は自分の転職というタイミングを活用して、ChatGPTを使って転職記を創作してみました。ChatGPTでラフに創作するとこのくらいのレベルになるということを示すために、なるべく出力に手を加えずにほぼそのまま記載しています。
目的
「ChatGPTで自分の転職気創作してみた」の目的は、下記の3つあります。
ChatGPTを使ってどの程度物語が書けるのかを検証すること
自分の転職のきっかけや気持ちの変化を書き記して整理すること
そしてそのプロセスと結果をアウトプットすること
ChatGPTはある程度の文章はなにも考えずとも簡単に執筆してくれますが、しっかり内容を濃くしつつ作っていくとなると、工夫が必要です。今回はその工夫を含めてお話します。
なお、今回創作した記事はこちらの4つです↓
2. 使用したツール
ChatGPT
メインとなるのはもちろんChatGPT。特に今回はChatGPTの中のGPTsという機能を使いました。GPTsは事前に学習を行ってそれを保持し続けてくれるGPTです。ChatGPTでは意図した出力を得るためにプロンプトエンジニアリングと言われる、与える指示の工夫を行いますが、GPTsではすでに指示を覚えてくれているためその必要がありません。何かに特化させたり、ローカルな情報を入れたりすることで、特殊な用途も含めて、多様な用途に対応可能なAIモデルです。
GPTs: Story Builder
Story Builderは、Alejandro F氏が作成したGPTsで、物語の執筆をサポートしてくれる機能をもっています。
このモデルは、プロットの構築、キャラクターの開発、物語の進行など、創作のさまざまな側面をサポートします。Story Builderは下記のような説明がされています。
DALL-E 3
DALL-E 3は、OpenAIによって開発されたテキストから高品質な画像を生成することができる人工知能モデルです。2023年9月に公開されたこのモデルはChatGPT上で使用することができ、与えられたテキストの記述に基づいて独自の画像を生成する能力を持っています。DALL-E 2の後継モデルとして、画像生成の精度と細部のリアリズムが向上しています。クリエイティブなアプリケーションやビジュアルコンテンツの製作に非常に有用です。
Adobe Express
note公式でAdobe Expressの生成AI機能を使ってサムネイル画像が作れる!ということで、こちらも使ってDALL-E 3と比較してみました。
3. 創作プロセスのステップ
今回は下記プロセスに則って物語創作を行いました。
①プロット構築(GPT)
②プロット修正(GPT&人力)
③文案作成(GPT)
④文章修正(GPT&人力)
⑤サムネイル作成(GPT)
なお、上記プロセスは意識せずとも、Story Builderに話しかけることで誘導をしてくれます。
①プロット構築
物語のプロットは、物語の骨格となる要素です。物語の主要なテーマ、登場人物、舞台設定などの基本的な要素を決定します。先ほどのStory Builderの要望に返答していきながらプロットを構築していきます。
②プロット修正
上記のプロットを見ていくつかの修正を加える必要を感じましたので、下記のような指示をしてプロットを修正しました。
そうして出来上がったプロットがこちら。
③文案作成
文案の作成は、物語の詳細を具体化する過程です。プロットに沿って各章2000字程度で物語を描いてもらうように指示しました。
下記のような文章が出てきました。いい感じ。
④文章修正
大体いい感じなので少しだけ修正を加えます。基本的に指示を出してGPTに直させます。今回は敢えて人の手はほぼ加えません。
・語り口を3人称視点から「私」に変更
・文字数増やすために「中身を増やして長さを2倍程度にしてください」と指示して再生成しました。928字から1222字に。(GPTは文字数指定がうまくいかないんですね… )
・一部間違っている内容を修正
そしてできた文章がこちら↓
⑤画像作成
画像作成は、物語を視覚的に補完する重要な要素です。今回はnoteのサムネイル画像をDALL-E 3もしくはAdobe Expressに生成してもらうことにしました。物語の内容をもとに物語のシーンやキャラクターを表現する画像を生成しました。
まずメインプロット1,2についてはStory Builder上でそのまま画像生成を行いました。
一方メインプロット2以降はnoteと提携しているAdobe Expressの生成機能を活用してみました。
ただAdobe ExpressはDALL-E 3と同じようにやるとあまりいい出力が得られません。
というわけで下準備をしました。
①メインプロットの文章を生成&修正する
②完成した文章を元に「このエピソードに相応しい画像を生成するプロンプトを出力せよ」とGPTに入力する
③GPTから得られた出力をAdobe Expressへ入力する
エピソードをそのままプロンプトにするのではなく、「Step by Stepで考えて」というちょっとしたプロンプトエンジニアリングを加えて指示しています。すると…
結構いい感じのプロンプトが得られました。そうして得られたサムネイル画像がこちら。
4.まとめ
以上のようなプロセスで全4回にわたる物語の創作を行いました。目的は、ChatGPTの物語創作能力の検証、転職における自己の感情と動機の整理、そしてそのプロセスと結果の共有でしたが、そこそこ達成されたかなと思っております。
使用したツールは、GPTsのStory Builder、DALL-E 3、Adobe Expressで、プロット構築、修正、文案作成、文章修正、画像作成のステップすべてで大いに生成AIを活用しました。
ChatGPTが物語創作においてどの程度の力を発揮できるかなんとなくわかっていただけたかなと思います。また、DALL-E 3とAdobe Expressを使用して、物語に合わせた画像を生成することも試みました。読書の皆さんには生成AIが物語をつくるにあたってどの程度活用できそうかのヒントになれば幸いです。