【元警察官が激白】警察官のノルマについて <ノルマは実在する?>
元警察官の藤田悠希と申します。
noteで8本目の記事となります。
かなり久しぶりの更新となってしまいましたが、今回も有益な記事になっていますので、是非最後までご覧頂ければと思います。
今回は”警察官のノルマ”について、元警察官の視点で紹介していきたいと思います。
早速ですが、皆さんは警察官のノルマと聞くとどのようなことを想像しますでしょうか?
真っ先に思い浮かべるのがスピード違反の取締り(いわゆるネズミ捕り)だと思います。
スピードが出やすい幹線道路の見えない場所に身を隠し、スピード違反の車両を次々と検挙していくので、「点数稼ぎ」「ノルマのための活動」とよく揶揄されます。
また、この他にも一方通行の道路や右左折禁止の場所で待っている警察官はよく目にすることでしょう。
私自身もこのようなネズミ捕りには警察官として何度も従事したことがあり、違反者からはよく嫌味を言われました。
その一方、何も事情を知らない方からすると「警察官にノルマなんてあるの?」と驚かれることかもしれません。
確かに警察官という職業でノルマというのはどうも違和感があり、あまり実感が湧かないものかと思います。
警察官志望者の方の中にはノルマについて不安や心配を抱えている方もいるかもしれませんね。
私は警察官を約8年経験しましたので、警察官のノルマについては知り尽くしていると自信を持って言えます。
なにせ私自身もノルマを課せられて勤務をしていましたし、ノルマの大変さについては嫌というほど体感してきました。
それくらいノルマというのは警察官として意識せざるを得ないものでした。
ただ、どうしてもノルマという表現は聞こえが悪く、印象も悪いので、一部誤解を受けている面があるのは事実です。
今回はそんな警察官のノルマについて多方面から紹介していきます。
もちろん守秘義務に関わるところを書くことはできませんが、実体験を含めて幅広く知って頂ければと思います。
警察官のノルマに対しては悪いイメージしかないかもしれませんので、決してそうではないという点もお伝えできたらと考えています。
私は都市部の県警で約8年警察官として勤務した経験があり、警察人生のほとんどをパトカーに乗って過ごしました。
パトカーというのは交番勤務と同じ地域課になりますが、実は誰でも乗れるものではありません。
警察官=パトカーというイメージが強いかと思いますが、ある程度の能力と実績がある警察官でないとパトカーには乗ることができないのです。
パトカーに乗るからには他の警察官よりも実績を挙げる必要があるので、ノルマとは長く戦ってきました。
ノルマについては良い思い出があれば、苦い思い出もたくさんあります。
そんな当時を思い出しながら様々な視点で紹介していきます。
なお、ノルマが強く課せられているのは地域課の警察官であり、私自身も地域課での勤務経験しかないため、地域課中心の構成になっています。
その点をご了承の上でお読みください。
【関連記事】警察官に取締りを受けたらどうするべきか?元警察官が徹底解説
警察官にとってのノルマとは?
まず最初に警察官にとってのノルマとは何なのか?について解説していきます。
ノルマという言葉を日本語にすると”達成しなければならない数字”と訳すことができます。
社会人ならよく使う言葉ですし、特に営業職の方ならば切っては切れない言葉でしょう。
当然、警察官に限らず組織に属している社会人ならば、なにかと数字を達成していくことはとても大事なことです。
「ノルマ達成のために頑張る」
「ノルマを達成しないと上司から…」
多くの社会人が一度はこのようなことを考えたことがあるはずです。
成果がなければ売上は上がりませんし、利益すら生むことができません。
そうなれば自分たちの給料も保証されないので、仕事である以上は成果を上げて当然と言えるでしょう。
だからこそ、ノルマという言葉は社会人であれば馴染みが深いものだと思います。
そこで、ノルマが警察官に当てはまるのか?というところが1つの問題です。
警察官は地方公務員であり、給料はすべて税金でまかなわれています。
警察官の仕事に売上というのは一切ありません。
ぶっちゃけた話、公務員というのは絶対的な身分保障がありますので、成果を挙げていても挙げていなくても一定の給料をもらうことができます。
これが警察官のおいしいところであり、民間企業とは大きく異なるところでもあります。
だから純粋に考えれば警察官にノルマなんていうものは必要なく、本来ならノルマが無くても困ることはなさそうに見えます。
ノルマどころか公務員は不祥事を起こさなければ解雇になることがないので、本当に安定した身分と言えるでしょう。
しかし、その安定感はときに世間から冷たい目で見られることがあり、警察官をやっていると必ずどこかで「税金泥棒」という言葉を浴びるものです。
実際のところ、私自身も市民から税金泥棒と言われた回数は数え切れません。
税金泥棒というセリフを言いたいだけの市民もたくさんいました。
そんな中、逆に積極的に職務質問や違反取締りを行っていれば、「ノルマのために必死だね」と心ない言葉を浴びることも事実であります。
警察官は仕事をしていなければ叩かれるのは当然として、積極的に仕事をしていても叩かれるという奇妙な存在なのです。
そのため、警察官にとってもノルマというのは切っても切れない関係なので、警察官として働いている以上は絶対的に意識せざるを得ません。
この辺りは売上のために頑張る民間企業と同じ感覚なのかと思いますし、ノルマは警察官にも十分当てはまるキーワードと言えるでしょう。
警察官にノルマはある?
そもそも警察官にノルマはあるのか?という話ですが、これについてはあると答えざるを得ません。
ないと言えば嘘になるので、ここはハッキリ言わせて頂こうと思います。
ただし、厳密に言えばあくまで目標数値であり、ノルマを強制されるということはありません。
ノルマを達成できなかったからといって給料が下がるわけではありませんし、不利な扱いを受けるということもありません。
原則として、ここは誤解のないようにお願いしたいです。
事実、現役のときはノルマという呼び方はされていませんでした。
(違う呼び方をされていたのですが、それは省略とします)
この記事ではわかりやすくノルマという表現をしますが、実際の警察官でノルマという言葉を使う方はほとんどいないはずです。
では、なぜ警察官にノルマがあるのでしょうか?
警察官は地方公務員であり、業績や売上などは無縁であるため、ノルマなんていうものを課さなくても問題はないはずです。
なぜなら給料は税金から支払われますし、ノルマがあってもなくても一定の給料がもらえる職業だからです。
警察官にノルマというのはどうも違和感を感じてしまうものだと思います。
警察官にノルマがある理由は様々ですが、一番は社会人である以上は目標を持って業務に取り組まなければいけないという点が大きいと考えます。
仕事をする上で何も目標がないとやりがいを持つことは難しいですし、なかなかやる気も向上しません。
”ただお金を稼ぐため”という理由を持っている方もいるでしょうが、やはり目標に向かって成果を出すことが社会人のあるべき姿だと考えます。
これは警察官にとってもまったく例外ではなく、警察という仕事も目標に向かって取り組むことでその成果はまるで違うものになります。
犯罪者の検挙という最大の目標がなければ、警察官とはいえモチベーションは上がりにくいはずです。
ですので、警察官にノルマが設定されている理由はこれが一番大きいでしょう。
その一方、逆に言ってしまうとノルマが設定されていないと何も仕事をしない警察官が続出するであろうということも考えられます。
これは警察官を否定するものではありませんが、公務員体質というのを存分に発揮するベテラン警察官が存在するのが事実であり、ときに問題視されることがあります。
私自身もそういったベテラン警察官は数多く目の当たりにしましたし、警察官になってみればすごく実感することだと思います。
いわゆる”ごんぞう”と呼ばれる仕事をしないベテラン警察官ですが、特に交番勤務をする警察官に多く見られます。
正直に言って、ごんぞうはノルマがあっても仕事をしないというのが特徴でもありますが…(笑)
普通の警察官ならばノルマの達成に向けて色々と活動をするのが当たり前なので、ごんぞうだけが特殊な存在と言えます。
つまり、ノルマが設定されていないとそれに甘んじて仕事をしなくなる警察官が続出する懸念があるため、そういった意味でもノルマが必要になるというわけです。
なんとも微妙な理由ですが、ノルマがあってこそ仕事も緊張感が生まれるものだと思います。
実際、私自身もノルマがなければ当時の活躍はなかったかもしれません。
パトカー乗務員として数々の結果を残してきましたが、それはノルマに追われる立場だったという要因も大きかったです。
警察官を約8年経験した身としてもノルマは設定されていて然るべきだったかと振り返ることができます。
警察官はどんなノルマがある?
警察官にはノルマがあることをお伝えしましたが、警察官に課せられているノルマにはどんなものがあるのでしょうか?
警察官のノルマにはたくさんの種類がありますので、そのすべてを紹介することは難しいですが、有名なものを中心に紹介していきたいと思います。
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