見出し画像

漫才論| ⁴³笑わせる芸人は一流で, 笑われる芸人は二流❓

"笑わせる芸人は一流で, 笑われる芸人は二流"

こんなふうに言う人もいますが,「笑わせる」という表現にも,「笑われる」という表現にも,私は違和感を感じてしまいます


笑わせる

自分は「笑わせている」という意識が強い芸人は,「どこか上から目線で押し付けがましい」という印象を受けることがあります。そのような「笑わせる」漫才でも笑いをとることはできると思いますが,みている側はその「上から目線がなんか嫌だな」という感覚があり,「心底笑う」という状態になれないような気がします(無意識の場合が多いですが)

笑われる

「笑われる」という芸風の漫才でも笑いをとることはできるかもしれませんが,この場合みている側には,いじめを見せられているような嫌な感覚が生じ,やはり「心底笑う」状態になれていないような気がします(これも無意識の場合が多いかもしれません)

ただそこに笑いが在る

私が最も理想的だと思うのは,「ただそこに笑いが在る」という状態です。漫才でいうなら,漫才師が漫才に没頭している状態です。「笑わせてやろう」と思っているわけでもなく,格好つけているわけでもなく,とにかく漫才が好きで,邪念がなく,ひたむきに漫才に取り組んでいる状態,スポーツ選手などがよく言う「ゾーン」とか「フロー」の状態,笑わせるのでも笑われるのでもなく,ただそこに笑いが「在る」という状態です

漫才師がこのような状態になっているとき,人は心から笑えるのではないかと思います

このテーマに関する質問・意見・反論などは
「みんなで作る漫才の教科書」にお寄せください

みんなで作る漫才の教科書とは,テーマ別に分類した「漫才論」にみなさんから「質問」「意見」「反論」などをいただいて,それに答えるという形式で教科書を作っていこうというプロジェクトです

THE MANZAI magazine
❶「自分たちにしかできない漫才スタイル」を確立する方法 ❷しゃべくり漫才のうまさは「相槌」で決まる ❸「漫才台本の書き方」と「オチのつけ方」 ➍ボケやツッコミってどのようにして思いつくものなの? ❺「言い訳-関東芸人はなぜM-1で勝てないのか-」は"現代漫才論"ではない-ナイツ塙さんが何を「言い訳」しているのかが分かれば,関東芸人がしゃべくり漫才でM-1王者になる道が見えてくる- ❻漫才詩集「38」

フィクション漫才『煮豆🌱』-いとこい師匠のテンポで-
作: 藤澤俊輔  出演: おせつときょうた


あらゆるオチを誰よりも先に小噺化するプロジェクト『令和醒睡笑』過去の創作小噺を何回も何回も回すと"古典小噺"になる・・・はず・・・【小噺はフリー台本】