AI×アナログノートのハイブリッド発想法(むちゃぶりノート×ChatGPT、bing AI)
テキスト生成AIのChatGPTやbing AIが日本でも使われはじめ、アイデア出しなど様々な活用ができると話題です。
でも実際にアイデア出しに使ってみると、なんだか同じようなアイデアばかり。。。なぜでしょう?
それもそのはず、テキスト生成AIは大規模言語モデルといわれ、言葉と言葉のつながりを大量に学習した結果、いわば凡庸な優等生の回答になってしまいがちなのです。
だから生成される文章にはつながりの強い言葉が選ばれ、生成されるアイデアもみんなが考えそうなものが多くなってしまいます。
では、どうすれば凡庸な優等生の壁を超えるアイデアを出せるのか?
そこでご提案したいのが「AI×アナログのハイブリッド発想法」です。
「AI×アナログのハイブリッド発想法」とは?
発想というのは新しい組み合わせを見つけて形にすることです。
しかし、一見つながりのない言葉と言葉を無理やりつなげて「とんでもない組み合わせから発想すること(以下、「飛躍的発想」と呼びます)」はまだAIは苦手としているようです。
そのためAIには人間のアシストに徹してもらい、AIが洗い出してくれたみんなが考えそうなアイデアを、人間が意図的に壊して発想することで新しい視点やアイデアを手に入れる手法が「AI×アナログのハイブリッド発想法」です。
具体的には以下の5つのステップで進めていきます。
テーマを決めたら、AIに関連するキーワードをリストアップしてもらう
キーワードから気になるキーワードを8つピックアップしてノートに書き出す
書き出したキーワードと「固定観念を壊すキーワード」を組み合わせて、よりムチャブリ的な4つの組み合わせについて飛躍的発想をする
飛躍的発想から生まれたアイデアをAIに伝え、AIに[肯定的に]評価してもらう
ノート全体とAIからの評価を見返して、感想や新たな発想の種をメモにまとめる
それでは具体的なやり方を説明していきます。
1.テーマを決めたら、AIに関連するキーワードをリストアップしてもらう
最初にテキスト生成AIが使えるように準備しましょう!
具体的な使い方や特徴はこちらの記事が参考になります。
まずはChatGPT無料版です。Googleのアカウントがあれば簡単に設定できます。またメールアカウントからも設定可能です。
ChatGPT3.5の無料版は記憶保持が少ないので、途中で途切れたとき「続けて」と指示しても、ちゃんと書いてくれないことがあります。有料版のplusやGPT4はかなり精度と記憶保持性能が高いです。
つづいてbing AIです。bingはMicrosoftアカウントを作ってbingのチャット機能を申請しないといけないので、まだの方は申請してみてください。検索機能が使えてChatGPT4ベースなので精度が高い回答が得られます。
AIの準備ができたら、こちらの文章を入力してみましょう!
文章内の[任意のテーマ]の部分をご自身がアイデア出ししたいテーマに書き替えてコピペしてください。
「むちゃぶりノート」という発想力トレーニング文具を使って、
AIにアシストしてもらってアイデア出しをしたいです。
テーマは[任意のテーマ]です。
「むちゃぶりノート」の使い方を理解できたら、テーマについて解析して、できるだけMECEで多面的な視点からのキーワードを10個リストアップしてください。
つぎにテーマに関係するできるだけ多様で多世代な仮想人格を5人設定し、その仮想人格から想起されるキーワードも各人格ごとに5つリストアップしてください。
さらにキーワードを組み合わせて、そこから想起される具体的で実際に存在する商品やサービスなどの名詞を10個リストアップしてください。
リスト化するキーワードと商品やサービスはすべて1wordの単語で書いてください。
文章内にある「むちゃぶりノート」は、「ぷよぷよ」「はぁって言うゲーム」などで有名なゲーム作家の米光一成先生がつくった、アイデアの幅を広げる「むちゃぶりシール」が特長の発想専用のアナログノートです。
今回はこの「むちゃぶりノート」を使って、AIのアシストをもらいながらハイブリッド発想をしていきます。
先の文章を入力すると、AIからこのような回答が生成されます。(例として「子育てを楽しくする」をテーマにしてみました!)
2.キーワードから気になるキーワードを8つピックアップしてノートに書き出す
AIから[テーマ]について、様々な視点から45個キーワードが提案されてきました。
斬新なアイデアはキーワードの新結合から生まれるとよく言われますが、発想に慣れていない人は、テーマからキーワードをたくさん出す最初の段階でつまずいてしまうことがよくあります。
そこで最初のキーワード出しをAIアシストしてもらえば、あとは人間にしかできない新結合からの飛躍的発想に集中できるというのが、今回のハイブリッド発想法の狙いです。
つづいて「むちゃぶりノート」を開いて、テーマと先程のキーワードから気になる8つをピックアップして書き出してください。
(このとき形容詞や動詞ではなく、具体的な名詞を選ぶとこの後の飛躍的発想がやり易くなります!)
8つ選ぶのが難しい場合は、このような文章をAIに投げかけると固定観念を洗い出してくれます。
「むちゃぶりノート」は固定観念の枠を外して、新しい発想を生み出します。
ですので今まで出たキーワードの中から、テーマから想起される固定観念として
選ばれやすそうなキーワードをMECEを意識しながら8個リストアップしてください。
3.書き出したキーワードと「固定観念を壊すキーワード」を組み合わせて、よりムチャブリ的な4つの組み合わせについて飛躍的発想をする
ここからは、「考える」「発想する」ターンなので、人間が、アナログで、やるほうが威力を発揮します。
「むちゃぶりノート」に書いた8つのキーワードの横にむちゃぶりが書かれたシールを貼ります。
とんでもない組み合わせが生まれました。「ベビーモニターを逆にし」? 「ピクニックセットを壊し」?
この8つの組み合わせからアイデアの幅を広げられそうな組み合わせを選んで4つ右のページに書き出します。
ここからが人間の発想力の見せどころです!!!
4つの組み合わせがどんなにムチャブリでも、なんとかアイデアをひねり出してメモしましょう!
4.飛躍的発想から生まれたアイデアをAIに伝え、AIに[肯定的に]評価してもらう
なんとか飛躍的発想をしてみたものの、素晴らしいアイデアなんてなかなか出ないもの。アイデアは繰り返し固定観念を壊しながら、様々な角度で発想をつづけることで新鮮なアイデアになります。
「むちゃぶりノート」には各ページに書き手を励ますセリフが書かれていますが、せっかくなのでAIにも励ましてほしい!
そんな方はこちらの文章を入力してください。
私は「むちゃぶりノート」を使って、今まで出たキーワードの固定観念を壊したアイデアを出してみました。
アイデアは「[飛躍的発想をしたアイデア]」です。もっと良いアイデアに育てていくために
このアイデアに肯定的な視点で評価とさらにアイデアを深化発展させるための前向きなアドバイスをください。
文章内の[飛躍的発想をしたアイデア]の部分を先程書いたメモのアイデアに置き替えてください。
4つ全部がアイデアにならなくても大丈夫です。一つでも二つでもAIにポジティブなアドバイスをもらってください!
絶対否定されないとわかっているので、心理的安心感は100%です😊
5.ノート全体とAIからの評価を見返して、感想や新たな発想の種をメモにまとめる
ここまで終わったら最後にノート全体を眺めて振りかえりとフィードバックのため、メモにまとめます。
この振りかえりメモのときに、今まで使わなかったキーワードも目に入るので、思わぬつながり方をしてさらに良いアイデアが生まれることもあります。
ノートに付属する「振りかえりシール」を貼ると、次の発想に向けた切り替えになります😊
おまけ
最後にAIにも感想をもらいましょう。もちろん前向きな言葉100%で!
これまでの発想全体からポジティブな感想をお願いします。
「AI×アナログのハイブリッド発想法」と人間の未来
このように「AI×アナログのハイブリッド発想法」を使うと、AIのアイデアが一般的な固定観念に寄せていってしまうという限界を超えて、人間にしかできない飛躍的発想を効率よく行うことが出来ます。
今後、AIへの問いかけによって検索でわかることは今まで以上に簡単に答えにたどり着くことが出来るようになります。
そんなAIとの対話が当たり前の時代には、人間はAIを良いアシスタントとして、創造と発展を生み出す発想力中心の生き方にシフトしていくことが求められます。
発想力を高めるアナログノートやChatGPTなどのAIを上手く組み合わせて、自分自身や世の中の課題をもっと創造的にクリアしていきましょう!
発想力を高めるアナログアイデアノート「むちゃぶりノート」はAmazonやMakuakeストアなどで販売中です。
私たちは紙を使ったアナログツールにAIを含むデジタルツールを組み合わせ、人の創造性を高める製品やサービスを開発しています。
今回のハイブリッド発想などお試しくださいましたら、ぜひ感想やご意見のフィードバックください!
この記事が参加している募集
いただいたサポートは、さらなる研究のために使わせていただきます。わかった情報は出来る限り公開、発信していきます。