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紙製品ブランド『ジデイク』のこと

お世話になっております。
富士リプロのTwitter(X)担当です。

久々の投稿となってしまいました。

24年8月現在、弊社公式Twitter(X)とInstagramで「#ジデイクエモ夏」とかいうイベントを開催しております。
弊社の自社ブランド『ジデイク』の商品である「透明マス原稿用紙」「透明メモ便箋」を手に取ってくださった皆さまが、どういう使い方やアレンジをしたのか気になるからSNS上で見せてください!という趣旨のものです。

「#ジデイクエモ夏」は検索用タグ!
このハッシュタグで検索していただくと、原稿用紙やメモ便箋のアレンジのほか、ちょっとした紹介動画やお役立ち動画がヒットするはずです。

早速ですが、
「商品の買い手は商品の作り手の想像を超えた使い方をする」
…と実感することがよくあります。

商品に関する誰かの投稿を見た誰かが、自分もやってみたいと思ってくれる、商品を認知してくれる、そして商品に関する何らかの投稿をしてくれる。
広告費をかけずにマイペースに運用しているジデイクは、そうした連鎖になんとなく期待しつつ、ユーザーの皆さまと密な関係を築いていきたいと思っています。

だから!
過去の文具マーケットで購入された方、キャンペーンで当選した方、これからセールで購入する方、「#ジデイクエモ夏」というハッシュタグをつけてあなたの作品を見せびらかしてくださいね。


さて、そもそも『ジデイク』とは何なのか。
それを説明しておかなければなりません。
数年振りに記事を更新したのはそういう理由です。


ここで先に宣伝です!
「透明マス原稿用紙」と「透明メモ便箋」がお得になっています!
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ジデイクオンラインショップ
この機会にぜひ。




『ジデイク』とは何なのか

『ジデイク』というのは、印刷会社の富士リプロ株式会社が運営するD2C向け紙製品ブランドおよびショップです。
ローンチしたのは2023年12月25日のことでした。


『ジデイク』ができたきっかけは、斜陽と呼ばれて久しい印刷業界に追い打ちをかけたコロナ禍でした。

弊社は…というか印刷業界には、特定のお客さまがお仕事をくれて何とかなっているという受注産業体質の企業が多く、コロナ禍に突入して印刷のニーズがおそろしいほど減少し、気が付いたらお仕事ないじゃん、みたいな状況に陥ってしまいました。
ビジネスにおいては「紙」が非効率の代名詞となったし、たとえコロナが落ち着いたってペーパーレスの流れは加速するだろう、というのは誰もが感じたことだと思います。

(ちなみに、コロナ以前から企業の生存戦略として印刷以外の新事業を起こした印刷会社はたくさんあります。弊社もBPOサービス事業などを担当する「新事業戦略部(現:ビジネスサポート部)」が私が入社する5年前には既にありましたが、会社の売上としてはやはり印刷に依存していました。)


さて、コロナ禍の弊社。
新規顧客を獲得しようにも、飛び込み営業できるご時世じゃない。
そもそも、印刷のニーズがない。
外へ向けて発信する場がない。
発信したところで見つけてもらえない(HPが機能していない)。

私が提案書を乱発したのはこの時期です。
外部との接点づくりが必要だということ、発信したものが届くよう運用していくことも重要だということを説明したつもりです。

炸裂するパワポ芸で上層部を閉口させ、提案を全部通しました。
(嘘です。ちゃんと聞いて考えてくれて採用してくれました)

そして以下から手を付けることに。
・SNSアカウントの開設(22年1月運用開始)
・コーポレートサイトのリニューアル(22年10月リニューアル公開)

SNSは弊社も御多分に漏れず、認知拡大のために始めました。
魅力的なサービス・商品がないのに認知拡大もないだろと思いましたが、社内で“やってやろう感”が醸成されないうちにサービスや商品の企画開発を進めようとするのは現実的でないと感じたので、認知拡大というよりは「富士リプロという会社が存在していて、毎日生きている」という切実な生存アピールをすることを目的としながら、少しずつフォロワーを増やし、フォロワーの皆さまと交流していくことにしました。

――いつか弊社にも、自信を持ってお届けできる自社発のサービスや商品ができるだろう。
――それができたときには、SNSのフォロワーも増えているだろう。

…みたいな、「いつか何かができるかもしれないから、それを発信したら誰かに届くような場を先に作っておく」というのがSNS(特にTwitter)運用の最初の使命のようなものでした。
ハードルが低すぎる。

余談でしたが、これがSNS運用前夜です。
(コーポレートサイトに関しては、リニューアル後のSEO対策をしっかりやりたかったけど手が回りませんでした。無念!)


で、その「いつか」が2023年で「何か」が『ジデイク』になったわけです。
マーケティングや企画開発のド素人たちが手順を間違えながら立ち上げ、現在もリソースのない中で絶賛手探り運用中です。

このブランドが今後どうなっていくかわかりませんが、ジデイクがなければ出会えなかった方々がいることは事実です。
大変ありがたいことです。



『ジデイク』という名前について

ブランド名については、注意点を設けた上で案を出し合って決めました。
神田にちなんだ名前もあったし、印刷用語をもじったものもありました。
「ジデイク」は自分が出した案のひとつです。

「ジデイク」の意味は辞書通り「地で行く」。
以下の1の意味です。

地で行く(じでゆく)
想像上の事柄などを現実の世界で実際に行う。「小説を—・く」
ありのまま行動する。自然に振る舞う。「今回の映画の役は—・ける」

goo辞書
※辞書によって「じでいく」「じでゆく」と読み方が異なる

ターゲティングを行う際、ペルソナを設定しました。
その人物は一般的ではないかもしれないけど、私たちのプライベートのコミュニティに一定数いるタイプで、Instagram担当とともに自分自身もペルソナを構成する要素になっています。

その人物像についてキーワードを拾い上げていくと、「好き/理想を追求する」「表現する」「創作する」「こだわり」「意地」「情熱」「執着」「本物志向」「唯一無二志向」などが挙げられました。
要はオタク気質のある人、自分なりの価値観を持っていて、大切にしたいことがブレない人といった感じで、年齢・性別・出身地・居住地・職業その他いろいろ細かく設定し、その人物の解像度を上げていきました。


自分に好きなものがあって、それをまっすぐ好きだと表現できることは、本当にステキなことだと思うんです。

好きなものに向き合う時間は楽しいし(創作には苦しみもあるけど)、好きなものを自由に表現しようとする自分を肯定できたら最高だし、好きなものを通して自分が理想とする自分になれたらいいなというニュアンスを含め、「自分の“好き”を体現させる」→「ジデイク」となったわけです。

その好きなものに向き合う時間を作ってもらうため、ジデイクの商品は「どこかにアレンジの余地を残している」ことを特徴とし、我々はその余白を“好きを体現する創作場所”であると言い張っています。

コンセプトは「as you like , at will(好きなように、思いのままに)」。
好きを地で行くあなたのこだわりや理想に適うように、ということを作り手として意識しています。


ちなみに『ジデイク』のロゴは、D-thermo株式会社の野澤さんにお願いしました。
3案出していただいたんですが、最終的に決定したのは「ジ」。

縦ロゴ
横ロゴ

設定ペルソナのアイデンティティが、ストレートかつ洗練された形で表れている気がしました。
ロゴは紙代・加工代・梱包資材代以外に唯一お金をかけたところです。

プロに頼むと自信が湧きますね。堂々と掲げられる。



『ジデイク』の商品のこと

『ジデイク』の商品は「手に取った方が自由にアレンジする」ことを前提としている以上、「卓上万年カレンダー」以外は商品そのもののビジュアルで訴求できず、説明しづらくて仕方がありません。
使い道をイメージしやすくするための見本づくりに時間を費やしています。

例えば、「#ジデイクエモ夏」対象商品の「透明マス原稿用紙」。
見た目は白紙です。
“白紙にまっすぐ文章書けたらかっこいいよな”から始まった商品だから仕方がない。
まずは自分で使ってみせないとどうしようもないものばっかりです。

透明マス原稿用紙(海月)
透明のインクでマス目と絵柄が印刷されている
万年筆インクなどで塗ると印刷部分が白く浮かび上がる
ジデイクにおける唯一ビジュアル訴求可能な「卓上万年カレンダー」
「卓上フリーカレンダー」(ギミック過多で魅力を端的にアピールできない白紙系商品)


商品ひとつひとつのアピールや開発秘話は、別の記事にしようと思います。
どんな商品か気になった方はオンラインショップやInstagramで見ていただけると嬉しいです!
ジデイクオンラインショップ
ジデイク 富士リプロ株式会社 Instagram



『ジデイク』は実際に商品を手に取ってくださったユーザーの方々に、面白そうとか、こんなことできそうとか思っていただけるよう、求められていないかもしれない細かいところにこだわっています。

冒頭で言いました。
「商品の買い手は商品の作り手の想像を超えた使い方をする」

作り手としての意地は、そんな買い手の皆さま一人ひとりに挑むことかなと思っています。
商品の買い手であり創り込み手であるあなたの創作意欲を掻き立てることはできたか、その創作や表現を十分にサポートできるものであったか、あなたにとっての理想の商品であったか、やられたなぁと思ってもらえるようなアイデアや独創性に富んだ商品であったか、シンプルに面白い商品だと感じてもらえたか。


買い手と作り手、双方の「つくって楽しむ」ことへの意地や熱量をぶつけ合って触発されながら成長していくブランドになれたらなと思っています。

でも、“創作”とか“意地”とか“熱量”とかいうワードにハードルの高さを感じないで欲しいです。
手に取った、何か書いた・描いた・塗った・貼った・切った・縫った…etc
元々白紙なんだし、何やったってオリジナリティのある作品にしかなりません。そういう商品を作ったんです。



つながれるブランドに

ブランド運営は基本的にSNS担当の2名が担当しているので、ユーザーの皆さまとコミュニケーションを取りながら一緒に良いものを作ったり創ったりしていきたいと考えています。

SNSにおいては、私たちの投稿を拡散してくださった方、キャンペーンでご縁のあった方、購入して投稿してくださった方など、一度でも接点のあった方を全員記憶しています。

おひとりおひとりに助けられました。
知名度ゼロの状態から成長させていただきました。
こうも上手く関係が構築できるものかね、と勘違いしそうになりますが、
ひとえに「ジデイクは(お客さまに)恵まれすぎてる」なんですよね。
ヒロアカのデクみたいな台詞ですが、本気でそう思っています。


新規の方も、いつでも絡んでください。
ジデイクの商品に限らず、手帳デコや朝活書写、イラスト、文具コレクションなど何でも見せびらかしてください。
私も見せびらかしたい。
何かが好きなもの同士が情報交換するような感覚で、それでいて触発し合えるような関係でつながっていたいと願います。



『ジデイク』の規模や運営の仕方がどうなっていくのかわかりませんが、この記事で書き散らしてきた「こうありたい」「こういうつもりだ」というブランドの原点の部分は変えていきたくないなと思っています。
とりあえず、幅広い層に愛されることを目指すことはないはずです。

ニッチとかマニアックとか言われる層にいるかもしれないあなたに届いて、シンパシーのようなものを感じてもらえて、その界隈の友達みたいな、なんか意識してしまう相手みたいな、そんなのになれたら、それが『ジデイク』の理想のあり方です。

そしてあなたの仲間に「こんなやついたよ」と紹介してくれると嬉しいです。









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