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一句《もしラジオ体操をソナタにしたら》ピアノ・リサイタルの思い出
少し前になりますが、
2023年7月21日(金)19時、河村尚子さんのピアノ・リサイタルへ行きました。
演奏を聴いた瞬間よりも、今頃になって、このリサイタルで聴いた河村尚子さんの演奏「シューベルトのピアノ・ソナタ17番ニ長調D.850」を思い返しては、いい演奏だったな〜と、思い出に浸っております。
どんな曲かというと(wikipediaの解説はこちら、曲の再生もできます)、4楽章からなる演奏時間約40分の大曲ながら、ドラマチックということもなく、速弾きみたいな見せ場もなく、緩徐楽章においても和音が続き、どの部分を聴いても和音のシンコペーションに明るめのメロディが響く、そんな、大きい川をゆるやかなに進む舟のような、どこを聴いても金太郎飴みたいに同じに聴こえる!と言いたくなるような曲です。
「レア・ピアノミュージック」として取り上げられるくらいですから演奏機会は少ないようで、私が愛用しているspotifyにもこの曲はありません。
このレアな曲を、河村尚子さんは暗譜で演奏します。演奏は、とにかく和音が続くので、どこまでも優雅に力強く、少し明るく、少し暗く、少し早く、少し遅く、みたいな起伏で延々と続きました。
この曲を聴いたことを、なぜ、今、思い返すのかといいますと、最近、悲しい出来事がありまして「人生」みたいなことを考える機会があったものですから、よくよく考えてみると、波乱万丈みたいに山あり谷ありという人生よりも、平坦に近い、苦も楽もゆるやかに進んで行く人生のほうがいいな、と思うと、それを曲で例えるなら・・・
「シューベルトのピアノ・ソナタ17番」かな、と思っていたわけです。
このリサイタル後に福間洸太朗さんが記念撮影を公開しています(リンクはこちら)。
最後に、
フランツ・シューベルト(1979-1828)は歌川広重(1797-1858)と同い年。
絵は広重の「京都名所之内 淀川」。
読んでいただき、ありがとうございます。