藤井風は新曲「旅路」でお茶の間ブレイクをするのか?
宇多田ヒカル以来の天才と評され、多くの同業者を嫉妬させるどころか絶望の淵に叩き落としている藤井風。その才能やポテンシャルについての称賛は耳にタコ、目にウオノメができるほど溢れかえっている。
しかし、これほどの逸材でありながら、日本中を席巻した宇多田ヒカルの衝撃波には遠く及ばない。つまり、デビューから1年以上たっても未だ藤井風はメジャーアーティストとは言い難い。
楽曲よし、声よし、ピアノよし、歌うまし、ビジュアルよし、キャラよし、ついでにマネジャーまでイケ散らかし、、、と完全無欠のフル装備。非の打ちどころがあるとしたら、しゃべりが拙いくらいだが、これさえも聴覚からの正常判断力を奪う愛らしい音響兵器みたいなものだ。
↑藤井風 本人インスタグラムより
それならば、デビュー時の宇多田なみに売れてしかるべきなのにと、時代変化やファンの贔屓目を差し引いても訝ってしまう。
ネット界隈では、彼の名や曲を見聞きしない日がないほどのプレゼンスがありながら、その名も楽曲もお茶の間にまで行き届いていないのはなぜか?
答えは簡単だ。
まだ大ヒット曲がなく、マスメディアにほとんど出ていないからだ。
この出し惜しみ戦略の真意は何か?
テレビは昨年の9月、報道ステーションで10分程度の特集が組まれた。生放送ではなくガッツリ編集されたビデオ出演だ。
それっきり歌番組での生歌唱はもちろん、ちょっとしたインタビューにさえ一切出演していない。関ジャムで大絶賛されMVは紹介されているが本人が出そうな気配もない。
私が知る限り、新聞、雑誌、さらにナタリーなどの音楽系サイトでのインタビュー記事も見当たらない。
しゃべりが苦手だからだろうか?いや違う。なぜならラジオでは生放送に何度も出演しているし、スポットではあるもののパーソナリティまで立派にこなしたこともある。
一方でSNSでの発信はこまめに行っており、親近感を醸成する愛嬌たっぷりの投稿でファンを退屈させることはない。また、全国ライブツアーもこの状況の中で見事に完走した。
少なくとも、まだSNSがなかった時代にテレビ出演もほとんどなかったZARDよりは露出しているのに、ZARDほど知られていない。
あちこちからのオファーで引っぱりダコなはず!
メディアからの取材依頼はもちろん、楽曲タイアップや広告契約のオファーも殺到しているのではないか?
とりあえずのタイアップ第一弾として、今期のドラマ「にじいろカルテ」の主題歌がオンエアされている。現時点での平均視聴率は11.2%と良くも悪くもない平凡な数字だ。昨年の半沢直樹の全話平均視聴率24.7%と比べると半分にも満たない。
↑ビデオリサーチ 全国32地点平均世帯視聴率
しかし、あの「Lemon」を主題歌とした「アンナチュラル」は、平均視聴率11.1%と「にじいろカルテ」よりも低い。楽曲の強度次第ではドラマの出来に関係なく、藤井風の「旅路」がWミリオンを記録した「Lemon」のような大ヒットになる可能性は十分あるのだ。
ということは、「旅路」のフル解禁を機に怒涛のプロモーション攻勢に転じ、一気に大ブレイクを果たすつもりなのか?
もしかしたら、EPのカップリングが広告タイアップ曲で、本人がCM出演するのでは?野菜ジュースとか?ヘッドホンとか?と想像すればキリがなくて困る。
テレビ、ラジオ、雑誌、新聞という4大マスメディアに、インターネットが加わり、スマホの普及により急速にその勢力を広げて久しい。特に藤井風と同世代以下では、ネットがテレビを遥かに凌駕している。しかし、全体で見ればテレビの威力はいまだ健在である。
↑博報堂 2020年1月調査データ(東京地区)
風の次なるステップはいかに?
ワイルドダンディマネジャーは、藤井風の勝負所を虎視淡々と見据え、綿密に慎重に準備を進めているに違いない。彼はテレビをどう利用するのか?
あるいは今後も、何の制約や婉曲なく、その時々の気持ちを過不足なく表現できるネットと、少々のラジオ、そしてライブ(配信含め)に露出を限定していくのか?
いずれにせよ、その気になれば藤井風がヒットチャートを席巻し、雑誌の表紙を飾り、テレビで歌うのも難しくはないだろう。レコード会社も商売だ。ミリオンのひとつも出して欲しいと思っているに違いない。ここでどう折り合いをつけるかはビジネスとしてシビアな問題だ。
どうせなら、宇多田ヒカルさえ為し得なかった米ビルボード1位を取りに行って欲しいものだ。アメリカを制した唯一の邦楽「上を向いて歩こう」以上の曲を作り出し得る戦闘能力が、藤井風には備わっていると思う。
そして、大スターになっても、告知のRTだけでなく、公式SNSやアプリを通じて「恵方巻、もう売り切れとった」みたいなどうでもいい投稿を続けて欲しいものだ。
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