文読む月日 1月11日
SEMENTOS Gt.Vo / NINE SPICES 店長の藤村です。
全国的に感染者が物凄い勢いで増えてますね、幸いまだ感染してませんが、
新宿という土地柄、いつ感染してもおかしくない状況なので、日々気をつけて生活してます。
感染してないの奇跡なんじゃないかと思うくらいには周りの状況は芳しくないです。
どうしたものかという毎日ですが、いつ何時もやれることやる精神で乗り切りたい。
9月はNINE SPICES14周年月間です、出演してくれるアーティストやご来場頂くお客様には感謝しかありません。
みなさんいつも本当にありがとうございます。
堅苦しい話はこの辺で、今回読んだのは「うしろめたさの人類学」という本です。
著者は、文化人類学者、岡山大学准教授の松村圭一郎さんです。
結局堅苦しい話やんけと思った人、そのとおりです。すみません。
堅苦しい話好きなんだなと気づきました。今更。
noteでたまたま見かけたレビューで興味を持って購入しました。
大型書店にはどこにも置いてなくて、やっぱり家の近くの本屋にありました。さすがや。
内容は、エチオピアと日本を往来し続けて20年という松村さんが、経験したこと、感じたことの違和感から、人と社会とのつながりを考察した本です。
単純にエチオピアという国のことを全く知らなかったので、現地での人々の様子や習慣を知れただけでもとても面白かったです。
あと、エチオピアのコーヒ豆が個人的にとても好きなのでエチオピアのことを知れてよかったです。
エチオピアでは、コーヒーを飲むときは必ず隣人を招待してみんなで飲むそうです。
1人で飲んでると、抜け駆けするな!ってなるらしい。
などなど、日本とエチオピアの価値観の違いが半端じゃなくて色々考えさせられました。
ありきたりな説明にはなりますが、日本で当たり前に思っていたことは全然当てはまらないですね、そりゃそうでしょって思うでしょうけど、想像以上に違いました。
自分には無かった視点が多々あり、かなり考えさせられる内容でした。
その根本にあるのは、当事者意識ということでしょうか。うしろめたさを感じるということ。
それを、社会と人、市場と人、国と人という視点で考えていきます。
作中の例で、電車に元気な若者が座っていたとして、目の前にお年寄りがふらふらしながら立っていたとき、国なら優先パスを作って対処する、市場なら優先的に座れる高い切符を作って対処する、などの方法で対応しようとします。
でも、これでは限界があるわけです。
優先パスを発行する基準は?、お金のない人は?、などの問題が発生するからです。
国の施策や、市場の仕組ではどうやっても対処出来ない問題が沢山あります。
だからこその、当事者意識ということですね。要は思いやりですね。
ここでは、譲ろうという気持ち、自分より明らかに座った方が良さそうなのに、自分が座っているといううしろめたさ、というのが重要ということでした。
自分だったら、この場合そもそも電車に乗って席が空いてても座らないを選択するでしょうが…それも面倒事は避けたいという気持ちから生じた行動なので、当事者意識が低いということでなんしょうか。
電車ならまだしも、これは今のコロナ禍に置き換えると、自分は関係ないとはどうやっても言えない状況なわけですから、より考えなくてはならない問題だなーと思いました。
はい、長くなってしまいましたが、とても面白い本でした。
とってもオススメです。
いつかエチオピアに行ってみたいです。
次回は「断片的なものの社会学」という本を読みたいと思います。
「〜の〜学」って三連続で登場ですね、こういうタイトルに弱いのかもしれません。
ではまた来月、よろしくどうぞ。