パーソナルトレーナー藤井自伝145

食事回数と食事時間が体脂肪に及ぼす影響

今回は研究データを元に食事と体脂肪の関係性を回数と時間という観点から考察していく。
時間栄養学や時間運動学など体と時間の関係を紐解くものも多いが、ある意味時間は絶対的なものであり、体に影響するのは間違いないと思うことも事実である。

まず最初は食事の回数だが、1日3食以下の場合と4食以上の場合とで比較した研究である。
摂取カロリーや消費エネルギーそして年齢や性別を加味した上で数字を補正した結果、食事回数が少ないほうが肥満リスクは高いという結果が出た。
注意点として報告ベースの調査であるため、肥満者の方が過小報告をしてしまっているケースや肥満になってから食事回数を少なくしたというパターンも加味しなければならないということだ。

次に別の調査では、1日の食事回数が3回の場合と7回の場合とで比較した物がある。
これは減量時のカロリー制限を行っている状態での調査であり、結果として
食事回数が7回のグループの方が体重減少が大きいという結果だった。
3回と7回というかなり極端な比較なだけにおもしろい結果であると思うが、これらの結果を支持していない研究もあるということである。

またよくいわれる朝食を摂らないと太る、という仮説について行われた研究では、
摂取カロリー・消費エネルギー・年齢・性別を補正した上で行った調査では、朝食を食べない方が肥満リスクが高いということがわかった。
こちらも同じく注意点として肥満したことで朝食を摂取しなくなったというパターンの場合なども可能性に含まれることである。
また、朝食を摂取している者は脂肪摂取が少なく食物繊維摂取量が多い傾向があり
食後高血糖の抑制や食欲の抑制につながっている可能性が高い。
他にも家庭で朝食をとっている人は食事意識が高く栄養バランスが良い傾向などがある。
トレーナーとしての経験則から言わせてもらえば、朝食を摂らないことで食欲が乱れやすくなり、太ることに繋がる可能性が高いと考えている。

最後によく言われることが多い、夜のまとめ食いは太る、である。
こちらもかなり極端な研究を行っており、自分としてはかなり好きな研究方法である。
方法は1日1食2000kcalのみ食べることとし、朝だけ食べるグループと夜だけ食べるグループで行った実験である。
結果として夜だけ食べたグループの方が体重が増加したことがわかった。
これは時間栄養学に通ずるものがあり、体内時計と体のサイクルの問題だと思われる。

また、オーバーカロリーする人の傾向として、朝食での摂取カロリーが少なかったり、脂肪摂取量が多いということも挙げられている。
このように統計的に傾向を見ていくことは非常に効果的だと思う。
ぜひ人間の体の傾向を知り、ダイエットや健康に役立てて頂きたい。

続く


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