イラストにおける2種類の「良さ」
皆さんは、良い絵ってなんだと思いますか?
クオリティが高い、リアル、独創性がある。色んな見方があると思います。アートか、商業かでも変わってくるし、中々一言では言い表しづらいですね。
個人的には、
・伝わりやすさ
・新しい刺激
の2つを軸に考えると、良い絵になりやすいと思っています。
✧求められるものを伝わりやすく描けているか
SNSや仕事で評価されやすい絵はこちらが大事です。
ユーザーが求める絵を、どれだけわかりやすく描けているかが、良さに直結します。
わかりやすくというのがポイントで、シンプルな絵でもわかりやすく伝わるならそれは良い絵になります。
イラストレーターにとって重要
これは特にイラストレーターに求められる軸で、依頼の場合は「ユーザー」というのは依頼者のことを指し、SNSにアップする場合「ユーザー」はファンやトレンドを指します。
画力の高い人ほどこの「求められるものをわかりやすく表現する能力」が高いですね。
伝わりやすさが第一
またわかりやすさというのは、ニーズによって異なります。リアルな影を付けるのがわかりやすさに繋がることもあれば、あえて線画なしの色のみでシンプルに見せたり、逆に線画だけの絵がわかりやすさに繋がることもあります。
とにかく、その絵を通じて一番伝えたいこと「キャラの可愛さ」「世界観」「キャッチコピー」「商品の宣伝」などがしっかり伝わる絵(余計な要素がそれを邪魔していない絵)が「良い絵」になります。
わかりやすさだけでは評価されないことも
ただ、最近は絵師人口が増えてきたので、「わかりやすい」だけではいいねが増えない事例も出てきました。
たとえば依頼ではシンプルなアニメ塗りの立ちポーズはとても需要がありますが、SNSではそれだけで評価されることは少ないです。
その時大切になってくるのが次の軸です。
✧想像もできなかった刺激を提供できているか
こちらは芸術で特に重視される部分です。
今まで想像もできなかった技法やテーマを見ると人は圧倒されます。その時の感情の動きが「絵の良さ」を感じさせるわけです。
わかりやすいのは、シュールレアリスムとかですね。いくらクオリティが高くわかりやすいものでも、何度も見てれば飽きがきます。そんな時、新しい表現が出てくれば、それが良い刺激になるわけです。
新しさが個性になる
ただの萌え絵でも、色や表現を工夫したりあえて他の技法を混ぜたりすると、それが「新しい良さ」に繋がることもあります。個人クリエイターとしても売れてるイラストレーターさんは、大抵この力も併せ持っているから強いわけです。
この新しさは絵柄だけの話ではなく、テーマやシチュエーション。あるいは今の時代にあえてアナログを選んだり、ただのイラストではなく動画にしたり、グッズにしたり。そういった様々な側面で新しさを提供できると、「この人の作品は良い」となる可能性が高いです。
刺激を提供できるか
もちろんただ新しいだけでなく、「良い刺激」にならないといけません。アトラクションやゲームと同じです。
「新しいだけで何が面白いかわからない」ではダメです。お客さんを楽しませないといけません。
喜怒哀楽の感情を起こさせることが大切です。ただ、怒りを刺激するのは風刺画のように炎上するリスクがあるので創作においては「怖さ(ホラー)」を含めた喜怖哀楽を意識するといいと思います。
複雑さを魅せるとクリエイターに受けやすくなる
余談ですが、芸術においては上手さだけでなく「どうやって描いているのかわからない」と感じさせるものは評価が高いようですね。
このことから、クリエイターに評価されたい場合は「新しさ」「刺激」に加えて簡単に真似できなさそうな「複雑さ」を込めるといいかもしれません。
✧仕事するなら「求められるもの」を描く
どちらも大事ですが、初心者さんは「個性」を重視しがちです。もし仕事に繋げたいなら、「新しさの提供」も頭の片隅におきつつ「求められているものを描く」意識を優先したほうがよさそうです。
ちなみに絵の基礎練習は「わかりやすく伝える」のが目的です。陰影・人体の骨格・パースなどは、現実的な表現をすることで対象やシチュエーションをわかりやすく伝えるために学ぶことです。
自分はまだまだ基礎が苦手なので、より皆さんに伝わりやすい表現ができるように、今後も練習を重ねていきたいですね!
では🌱
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