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大手百貨店が服のサブスク開始!その意図は?

みなさん、こんにちは。フジガッキーです!

今週は、自分自身関心のある小売にまつわる話題を中心に投稿しています。

そして今日は、「大手百貨店が服のサブスク開始!その意図は?」です。

まず大手百貨店の取り組み内容について

百貨店大手の大丸松坂屋は、この4月から月額制で、女性向けの衣料品をレンタルできるサブスクリプション(定額課金)サービスを開始しました。
なんと、小売大手が衣料品サブスクに参入するのは初めてとのことです!

AnotherADdress(アナザーアドレス)」という名前のHP(ホームページ)で展開されています。

そのサービス内容は、まずLINEアカウントから会員登録をし、サブスクプランに申込みをします。すると、月にレンタルチケット3枚と配送チケット1枚が送られてきて、そのチケットを使い国内外の洗練されたデザイナーブランドの中から、1ヶ月に3着まで自由にレンタルすることができ、自宅に商品が配送されるというサービスです。

料金は月額1万1,880円(税込)で、クリーニング代や配送料なども含まれており、レンタル期間が終了した後、気に入った商品は割引価格で購入することも可能です。

目指すものは

AnotherADdressのHP内に、Philosophyとして4つ掲げられています。

SUSTAINABLE
  ファッションは使い捨てではない。
  技術を維持し服の寿命を伸ばすことで環境に貢献する
CREATIVE
  試すではなく過ごす。
  新たなファッションの価値に触れる体験を創造する
INTELLIGENCE
  空間や時間の使い方を変化させる。
  無駄を減らすことで日々の暮らしが丁寧になる。
DRESS CODE
  ファッションの自由度は加速している。
  時代に合わせて装うべき服のスタイルを変化させる

目指しているものはSDGsやCXにもフィットし、とても素晴らしいと感じました。

でもサービスとしては後発組?

そうなのです!

国内の衣料品サブスク市場では、すでに「エアークローゼット」などの新興企業が先行しており、女性向けのカジュアル系衣料品を中心に、比較的リーズナブルな月額料金設定で、同時に3~5着をレンタルできるということで、会員数は45万人を突破しています。

こうした中、大丸松坂屋のサブスクでは、長年の百貨店事業で培ってきたアパレルブランドとの関係性を生かし、扱う商品も小売価格で2万~20万円程度の高価格帯とし、主にハイエンド層をターゲットに、先行する他社サービスと差別化を図ろうとしています。

参入の意図・狙いとは?

いよいよ本題に入ろうと思います。

上述したように、大丸松坂屋のサブスクは、後発組ながら扱う商品やターゲット層から先行する他社との差別化を図り、コロナ禍の中にあり逆風吹き荒れる百貨店業界での活路をサブスクに見いだす!

でも、これは真の意図や狙いではないのです。

百貨店の行うサブスクモデルは、あくまでもフロントエンドとしての位置づけだということです。
これまで積極的に消費者の声を直接拾おうとはしておらず、展開する商品にもうまく反映できていなかったのではないか。
その反省に立ち、このサブスクサービスを通じて、ターゲット顧客からの生の声や顧客ニーズを拾い集め、ニーズに即応した商品をリアル店舗で展開していく、そして顧客とのさらなる関係性強化(LTVの追求)を図る
これこそが百貨店のサブスク参入の真の狙いではないかと思います。

もしそうでなければ、商品が売れた段階で仕入れとして計上する、消化仕入ではなく、在庫リスクを抱えるサブスクサービスに打って出ることまでしませんものね!

いよいよ追い込まれた戦略というよりも、百貨店の積極果敢な戦略なのだと評価もでき、今後もその動向には目が離せません。





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