微熱幻影
頭蓋骨のなか
細胞が揺れる
白い天井が回って
閉じた瞼の裏
靄の向こう
ざっと10年前
暑いし寒い
押し付ける鉛の船
受け止めるスプリング
無理だよって俯く
前髪の奥のこと
分かんないけどさ
知りたかったよ
また手を伸ばしかけ
引っ込めて包まる
浮かされてみるけどさ
醒めるはずだよ
差し出す手のひら
思い出し震えては
重い身体横たえる
閉じた瞼の裏
坂の途中
そっと忘れたい
暑いし寒い
沈み込む鉛の船
受け止めるスプリング
無理だよって呟き
前向いた僕のこと
分かんないだろ君は
泣けないんだよ
もう手を伸ばせずに
引っ込めて包まる
浮かされてそのままさ
消えるはずだよ
無理だよって呟く
前髪の奥の熱
思い出せないからさ
苦しいんだよ
分かんないけどさ
知りたかったよ
回る天井見つめる
暑いし寒い
無重力の夜
もう手を伸ばせずに
引っ込めて包まる
浮かされてみるけどさ
めまいが消えるころ
全て醒めるはずだよ