自然、私の注意

ガラスのコップが私に語りかける

本を読めば
一粒の水滴がツーっと流れ落ちるのに視線をとられ

筆を進めれば
正方形の氷が溶けカランと音するのに
手が止まる

汗をかいたガラスコップも
クリーム入りのアイスコーヒーも
私を知らないはずである
私の名前も経験も、生まれも、存在も知らないはずである

ではなぜだろう

私の全身細胞の注意を払わせる

染みのついたソーサーは黙っているのに

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