【詩】ちから

縮んだパンケーキに
塩気のあるバターを
べったいスプーンで押し付ける

向こうの方から聞こえる声に
耳を傾けないように
押し付け続ける

横に縮んだパンケーキは
縦もずっとずっと薄くなってく

左耳の鼓膜に
カワセミの啄ばみを感じて
聞こえない

右耳の真ん前にはたぶん
ススキが一面に広がってる
さわさわという雑音だけ
聞く

べったいスプーンは
どんどんどんどん
折り曲がってく
かたい面に当てられ続けて

消えたバターに
穴の空いたパンケーキ
柄が取れたべったいスプーン

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