暇のギャラリ 青山一丁目編

土曜の11時半の待ち合わせ、
「ごめん!」
のひとことだけ送られてきてから早20分。

仕方ない
この辺りで時間をつぶそう。

青山一丁目駅を出て根津美術館の方へ向かう途中、
コムデギャルソンの手前を右に曲がってしばらく歩くと生け垣にぶつかる。
生け垣沿いを南東に向かうとそのギャラリーはある。

絵画、彫刻、陶芸、アクセサリーなどあらゆる作品の展示販売を行うギャラリー。

行くたびにギャラリストが変わるから
だれがオーナーかはわからないし、
実際一度もギャラリーには顔を出さないのかもしれない。
でも多分、べっ甲丸眼鏡をかけたグレーのショートカットの女性がオーナーだと私は直感的に思っている。
彼女は今日もいる。

ギャラリーは
灰色でアンバランスな形をした建物の中。
そこの半地下の部屋を間借りしているよう。
地下への階段一段一段にはガーベラ、クレマチス、ミニバラの鉢がそれぞれ置いてある。
どれも主役級のお花たち。
灰色の背景にとてもよく映える。

扉は全面ガラス張り。
なんともギャラリーらしい。
部屋は15畳くらいの正方形で
全てが白くべったりと塗られている。

今日の展示は、日常の吹きガラス。
お皿やグラスなど
日常のためのガラス食器がずらりと、
沈黙して並べられていた。

まだ彼、来そうにないから
ゆっくり見ていこう。

〜つづく〜


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