【詩】膜破り

しっかりとすくい上げてほしい
柔らかな表面
なめらかな肉体
プリンのような内容を含んで

そんな中に埋もれていってしまった
私の魂は
息ができない

ゆで卵を包む薄膜みたいな
煮た牛乳からうまれる薄膜みたいな
そんなものに真空パックされてる

たぶん
爪楊枝とか
アイスピックとか
お父さんが毎晩使ってるフロスの先端とか
そんなのでほんの少し触れてくれれば良いのに
そんなきっかけは
誰のポッケにもあるのに

空気のないふくらみが
科学的根拠を超越して
どんどん大きくなってく

誰も触れてくれないで
膨張していく

膨らんだ先に
薔薇があった
トゲが
触れるとき

痛みはない
ただしぶきに目がしみただけ

ただそれだけ


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