柘榴(ざくろ)が熟れて
緑の艶やかなの葉っぱの中で私はちいさな鮮紅色の花をいっぱい咲かせたの
あなたは覚えているかしら?
あれは6月のころだったけど
あなたはきっと気づかずに すてきな彼女と会っていた
私はジッと我慢強く咲き続け 果実をつけるようになった時
はじめて私に気がついて 私を見つめてくれたっけ
私はあなたに恋をした
あなたの黒い瞳のまなざしは 私を憧れの虜にした
私の想いが強くなるほどに 私の果実も大きく熟れていく
あなたの愛が本当でなかったとしても
いっときの慰めでもいいの あなたの愛が欲しかった
あなたのやさしさが 気紛れであったとしても
それで私の心があたたかく癒やされる
私の涙は 私の心の傷のいやし
ああ、心の叫びが…!
柘榴の実が裂けたとき
私の想いが飛び出したのだと
思ってくださいな