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一期一会のポシェットとリュック
久しぶりに「イーオン」に出かけた時のこと。
娘の看病後、私の背骨は歪んでいた。
だから、どうしても前かががみの姿勢になり、内臓が圧迫されて疲れる。 買っていたリュックは どれも大きいので、私は小さめのリュックを探していたが なかなか見つからなかった。
その日も午前中、「芸術文化センター」で「交野が原万葉の会」の講習を受け「Tサイト」で昼を済ませ、せっかく来たのだから…とリュックを探すことにした。しかし、大きなリュックはあるものの、小さめのリュックはなかなか見つからない。そこで、Tサイトからイーオンに場所を変えることにした。
Tサイトからイーオンまで陸橋で行ける。
駅の構内を通って無印良品店を抜けて行くと、クーラーの効いたところばかり歩くことが出来て、これ幸い!
イーオンに着いて、ハタッと考えた「リュックは何階だったか?」 そうこうする内に 目の前のエスカレーターに足を運んでいた。
ゆっくり上に目をやると、フッと目の前数段あがったところで 黄色のリュックが目に入った。昇りながら私は「なんてステキなリュック! ブルーのポケットの色もとっても合っているし、大きさが丁度いい!」なんて、思っていると、そのリュックを背負った人が上の階に着いたので、私はまだ動いているエスカレーターから声をかけた。
「あの~!」
その人は 怪訝そうに後ろを振り向く。その時 私も階上に着いたので 「このリュック、ステキなリュックですね!失礼ですが、どこで買われたのですか?」と、聞いていた。
突然、後ろから声をかけたので驚かれた様子で
「これ、ですか?」と、自分の背中のリュックを見返る。
「ええ、大きさも色合いも、こんなのを欲しいと思って探してたんですが なかなか見つからなくって…」と、私は 又 まじまじとリュックを見た。
「これ、買ってないんです」
「え?」
「私が作ったんです」
「え~? 作られたの~?」
「はい」
「ご自分で?」私は もっと まじまじとリュックを見ながら、思わず言っていた。
「私にも作ってくださる?」
「私、専門で作っていないのですが、趣味の範囲でいいんでしたら…」と
その人は リュックを背中から外して言った。
「今、急いでいるので、お名刺を渡しておきますから…」と手作りのお名刺を渡してくださった。
「ごめんなさい。急いでられるのに…」私は恐縮した。
「これでよければ、こちらにご連絡ください」
「ええ、いですとも! では 後ほど…」
そうして、連絡を取り合って
「私のリュックの材料で良ければ、家に材料があります。よかったら見に来られては?」と、思わぬお返事に
「ぜひぜひ!」ということで、さっそく、香里園の駅で待ち合わせをすることになった。
その日その人彼女は 車で迎えに来てくれていた。車で住宅街の道を何回も曲がりながら到着。(今度 来ようと思っても、これは来られないかも)
2軒のよく似た家が並んでいた。聞けば2軒とも彼女の家で、1軒はご主人との生活の場で、後の1軒は彼女の仕事場兼来客用の家とのことだった。
真新しい玄関を上がってすぐの和室に通されて感心した
「まだ、新しいのでは?」
「ううん、お隣が空いたから少しリホームしただけ」と彼女は言う。
「新しい畳の匂いって、いいねえ」
彼女はお茶とお菓子を出してすぐ
「材料、2階から持ってきますね」と、階段を上がって行った。
私はお茶を頂きながら、床の間を利用して上手に何段かの棚を取り付けているのを見て感心した。 そこにいろんな彼女の作品が置いてあった。
それは、手作りのお人形だったり、ブローチだったりイヤリングだったり、彼女の出来る作品はどれほどの種類なのか?と感心するほど色々な物が置いてあった。
「私、いろんなことやっているので、出来上がり時間かかりますけど…」
彼女は歌もやっているとのこと、
「なんでも出来る人がいるもんやねえ」私は感心するばかりだった。
材料が2階から運ばれて、色合わせをする。「デザインはあなたのと同じでいい?」と私が言うと、コックリ頷いて彼女は私の希望する条件を聞きながらデザインして絵を描いていく。
「リュックの大きさはあなたと同じくらい、下にハンカチとか入れられるポケットが欲しい。両脇に傘と水筒を入れるのも欲しいね。ああ、私ってなで肩なんでずり落ちないように肩のベルトは太いほうがいいわ。そこに何か充てるものがあれば助かるんだけど。ポシェットはこれとこれが入るくらい」と愛用している小さな財布と鍵用のポチ袋と娘に買ってもらった「ICOCA」のカード入れを合わせて寸法を取ってもらった。
「出来上がりは2~3か月かかるけど…」
「ええ、いいですよ。わたし 待~つわ!」と歌うように言うと、顔を見合わせ二人でにッと笑いあう。
なんだか、昔からの友達みたい!
それから 数か月、出来上がってきたのは こんなステキな物だった。
ポシェットもついて、ステキ!
そのうえに、小物入れまで!
そして、そして こんなかわいいネックレスも!
これは、久しぶりに会う友達との時に着ていこう!
グレーのワンピースに手作りネックレス 黄色のリュックにポシェット!
みんな「すてき!」って言ってくれて、
「作ってもろたん?」
「誰に?」って…
おかげで、私は「鼻高さん」になれました。
「一期一会のお出会い」なのに、よく私の希望通りのリュックとポシェットを作ってくださいましたね。
それ以上に、小物入れやネックレスまで!
あなたのセンスと腕は とってもGOOD!
そして、あなた自身のお人柄もね!
ありがとうございました。
これからも末長く大切に使わせてもらいますね。