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彼岸会に手入れされたる石畳み

 昨年の管長様への御礼状の後 私は管長様のアドレスを知ることができました。

この春、3月はじめて管長様にメールを することになりました。

【題】彼岸会のご案内ありがとうございました。
【本文】
  ご無沙汰しております。初めてのメールお許しください。
去る18日の彼岸会のご案内ありがとうございました。私の方都合で20日にお詣りいたしました。その節 お墓への石畳が美しく整えられお墓のそばにありました松の木も切っていただいておりますことに気づきました。これで松の落ち葉に悩むことも少なくなり、お墓への道もとても歩きやすく躓き転倒の心配も軽減されることと喜んでおります。
あのように道を整えられるには相当なご苦労と作務がありましたことと推察し、心より御礼と感謝申し上げます。
新しいご住職様には同じ文体でお手紙を書いて「作務に参加されました雲水様にくれぐれも労いの言葉を伝え頂ければ」と書き添えております。
あたらしい庵でのお住まいは如何ですか?どうぞくれぐれもお身体大切にお過ごしくださいませ。愚作ですが一句書き添えさせていただきます。
 鳥曇さえずり競うこの日かな
お粗末

すると、返って恐縮するような お返事の中に このような文が書いてありました。

俳句の様に 僧堂では鶯が盛んにさえずっています

同時に送られてきた写メールに 飛び上がらんばかりに 私は感動した。   それが見出しの写真です。
見出しでは 一部ですので、全体の写真を出します。

4月になって しばらくして、

今夜8時からBS11で「京都浪漫悠久」にて 寺の本坊が放映されます。
お暇でしたら 御覧ください


 私は 是非是非と 見逃さず見入った。
懐かしい風景や景色があるかと思えば、全く知らない重要な文化財が放映されている。広いお寺で400年もの間 未公開だったのであれば、私が知らないのは無理もないことで、今回を機会に是非見に行こうと 思った。

「京都の悠久の美」拝見しました。いままで知らなかったお寺の歴史の中身を知ることができました。あの有名な一休禅師も沢庵和尚様も このような関わりがあったことはとても感銘深く、見覚えのあるお寺の景色や塔頭など改めてお寺の歴史の厚みを学ぶことが出来ました。

期間は
4月27日~6月4日まで、本坊初公開の案内だった。
ナレーションの中「歴史を語るなか質実なお寺として 松や楓などは植えられていない」と、聞いた時あのうつくしい枝垂れ桜は どこのだったんだろう?という疑問が湧きました。そこで

何度も申し訳ございません。昨夜のテレビで「質実なお寺としているため桜や楓の木を植えていない」と解説がありました。そういえば松などの常緑樹ばかりが映像に伺え「なるほど」と頷けました。と、いうことは、最初に送っていただいたあの美しい枝垂れ桜は どこの桜だったのでしょうか?  てっきり僧堂のどこかの桜とばかり思っておりましたので…

あの枝垂れ桜は芳春院の裏の今宮通際にある桜です。僧堂には楓が沢山ありますが、拝観者はお断りです。

と、返事がきた。「拝観謝絶」のお寺が多いからなのか…そうかあ…!

そういえば、お墓への石畳に沿って沢山の椿の花が咲いていたのを思い出す
その中に「黒い椿の花がある」と、一時有名だった時もあったけれど、もう老木になったのか それとも 他の椿の華やかさに隠れてしまっていたのか最近 見えなくなっていることに気が付いた。
年月が すこしずつ景色を変えていくのであろうけれど、自然(宇宙)の中での一つの現象として「景色を変えていくことを気づかさないように 変わっていくこと」こそ「わび・さび」の一つとして このようなものがあるのではないのだろうか?と、私は ここではじめて気がづいた。
「あるがままに 自然体に… 宇宙に溶け込むように 音もなく消え入るように…」
私も そうありたい!と 思った。

静けさに 降椿ひとつ石畳



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