ワンコインコンサート
枚方市総合文化芸術センターで、いろいろな催し物の一つに「ワンコインコンサート」がある。
ジャズや能など幅広く「ワンコイン」つまり500円で午前11時から12時までのコンサートなのだ。
「ワンコイン」つまり500円なら 市民も気軽に「行ってみよう!」という気になる。ひいては 市民に芸術文化が広がり浸透して行くこと間違いなし!
しかし、そうショッチュウ行けるわけではない。
ジャズの時はチャンスを逃してしまった。
今回は「ホルン・リサイタル」
「ホルン」という楽器の単独リサイタルは 珍しいので行ってみたい!と
思って「万葉の会」にご一緒しているご近所さんに相談しようと思いながらなかなか相談出来ず、とうとう 月一の「万葉の会」の時に相談することになった。
で、その月は「万葉の会」の先生のコンサートも入っていて、2人はもうすでにチケットを購入していた。月に2回のチケット代金は 年金生活者にとってはチと痛い
しかし、2回目のはワンコインだから ま、いいか!と思って声をかけたら、お友だちは 別のお友だちと「落語」のチケットを買ってらしていて、ちょっと渋っておられた。けど「ワンコインだから・・!」と 強引にお誘いして、私がチケットを購入することにした。
そして、チケット会社に電話すると「完売!」とのこと、
やっぱり、あかんかったかあ!と、ちょっとは胸をなで下ろす気分になっていたところ、コンサート前10日を切って、【芸文(芸術文化センター)】から「今まだ席があります」と メールが入った。
私はすぐにお友だちに電話をして聞いてみると
「落語も行くし…」とのこと、そこで私は
「明日 歯医者さんで市駅に出るから、その時【芸文】に寄ってまだ席があったら私一人で行ってくるね!」と言って了解を得た。
歯医者さんの診察後、11月にしては太陽光がきついく汗をかく、近いとは言え15分程の道のりの【芸文】に足を運びながら
「遊ぶのも大変やなあ!体力いるわあ」と、ひとりぼやいていた。
【芸文】に着くとさすがに涼しく、奥まった受付までにじわっとしていた
皮膚が引き締まる。受付の前で4,5人のご婦人が12月のコンサートの
チケットを手にして華やいでいた。
私は 声を落として「【ワンコイン・コンサート】のチケットまだあります?メールが来たんですけど・・」といってみた。すると、明るい声で
「はい、ありますよ!でも、2階のこの席とこの席なんですが、どの席が
いいでしょう?」と言って差し出された「コンサート会場の席」が、人と人とに挟まれた真ん中の席だったので
「私、咳が出るので端っこがいいんですけど・・」という。すると
「端っこですかあ?それなら3階になりますけど・・」と おっしゃる。
「へえ、3階は初めてですわあ、どうかなあ? でも【ホルン】やったら、うわ~ッと音が上に広がるし、ええわな!」受付嬢もうなずいて
「3階の端っこ、はしっこォ、あ、ここはどうですかあ?」
「ああ、ここならドアにも近いし、咳が出たらすぐ外へ出られるしイ、ここにします」
と言うことで3階のど真ん中、前から2列目の右端がとれた。
舞台の真ん中に置かれたグランドピアノの前に現れたホルン奏者福川伸陽とピアノ伴奏者大堀晴津子の姿は 3階からもよく見えた。
ホルン演奏を単独で聴くのは 初めてのこと、私はワクワクしていた。
静寂の中、まず福川氏が低い豊かな声で「楽器 ホルン」の説明を始める
「ハイジでお馴染みの山々で【ホルン】は『大きくて長~い楽器』でした。
それを持ち運びが便利にしたのが、この形で【カタツムリ】のようですね」と説明していく。「【ホルン】そのものは このように・」と ホルンを吹いて見せ「音は出ません。そこで この小さな笛を唇に宛て、右手をこの様にラッパの中に入れて 手で調節をすると音階が出ます」
な~るほど!こんなにして音が出るんだあ!
やっぱり来てよかった♡
そして、福川氏はピアノ伴奏の大堀晴津子女史のことも、ステキな伴奏者として紹介することを忘れなかった。
「プロフィール」にも書かれているように、福川氏の演奏は
親しみを込めたカサド作曲「親愛の言葉」で始まり、ピアノの練習曲でも
有名なツエル二ー作曲「アンダンテとポラッカ」で、はじめゆっくりと歩くようなテンポから始まる「アンダンテ」から技巧的なわざを ホルンの豊かで包容力のある音色で ポーランドの舞曲ポロネーズの別名である「ポラッカ」へ、と同時に、ピアノも華麗な演奏が入るところが 取り分けこの曲のホルンを引き立たせていた。その間、単独でピアノが際立つ曲であることを 福川氏はそつなく自然体で紹介する。
そして、日本のなつかしい歌をホルンで聴かせながら 私たちをホッとさせ
最後にメシアン作曲の「峡谷から星々へ」より第6楽章「恒星の呼び声」で一挙に 私たちを宇宙の世界に連れて行く構成は さすが!と言うしかなかった。
演奏最後の曲では
ホルスト:福川伸陽氏が編曲した組曲「惑星」より「木星」が 現代から
未来へ飛び立つように 広々とした宇宙の神秘的な世界に 私たちをいざなってくれた所で、コンサートは終わった。
「ブラボー!!」と叫びたくなるような感動を 私たちは拍手で送る。
鳴りやまない拍手、拍手!
それに応えてアンコール曲が・・・
このような素晴らしい文化芸術の街に 住んでいる私たちは 本当に幸せだなあと、つくづく思う一日でした。
<参考記事>