息子のアトピーが治った時の話
息子はかつて、ひどいアトピーだった。
全身の皮膚がただれたようにズルズルで、それはそれは見るからに悲惨で。本人も痒がって辛そうだし、何とかして良くなってほしいと私は色々な治療を試みた。
除去食はもちろんのこと、あっちの病院やこっちの病院、ありとあらゆる代替療法、そしてたくさんのセラピー。当然のようにあらゆる手を尽くし、たくさんのエネルギーを注いだ。だけど全然良くならなくてね。
ある時、もうその経緯は省略するけど、私は全然自分の人生を生きてこなかったことに気付いた。いつも受け身で、愛されることを待っていて、なんにも本当に「やりたいこと」なんてやってこなかったのだ。
愛されたさ、だけにドライブされた、全く抜け殻のような人生だった。何一つ自覚がなかったけど、自分のあらゆる行動の動機がそれだけだったことに気付いたら「よし、もうやめよう。やりたいことをやろう!」と腹の底から思ってさ。
その決意をした途端、みるみるめきめき目の前で分かるスピードで、息子のアトピーが治り始めた。本当にあっという間の出来事だった。
ビフォーアフターの写真でも撮っておけばよかったと思うけど、その時既に私の意識は息子のアトピーから離れていたので、残念ながら治癒経過の写真はない。とにかくほんの数日で嘘みたいにアトピーは治ってしまったし、今やもう見る影もない。
そして実はこの時、息子のアトピーだけでなく、私自身が10数年抱えてきた摂食障害も、同時に治ってしまった。
目の前に問題があると、ついそれを解決しなくちゃいけない気がしてしまうと思う。だけど私たちが本当にやらなきゃいけないことは多分、自分の本当にやりたいことをやって、自分の命をめいっぱい使って生きることだけのようだ。
少なくとも私は、そこからブレるとすぐにいろんなことがうまく行かなくなる。問題が起きている時は「ちゃんと自分を生きていないサイン」と思うようになった。
つい解決したくなる、でもそれは罠だ。
何度でも試される。それでも自分を生きろと。