映画「新しき世界」韓国ノワールの魅力に引きずり込まれて
こんにちは。Fuhuhuです。
今日は私が一番好きな映画であり、韓国ノワールという新しい扉を開いてくれた「新しき世界」について、思いの丈をぶちまけたいと思います。
※ネタバレを含みます。
「新しき世界」あらすじ
そんなある日、組織のボスが急死したことで事態が急変。ジャソンの兄貴分であり序列2位のチョン・チョンと、序列4位だが最大勢力のイ・ジュング(パク・ソンウン)による後継者争いが勃発します。
この抗争に警察もジャソンを通して介入し、組織を弱体化させようともくろみます。その作戦は「新世界プロジェクト」と名付けられたのです。
「新しき世界」ここが最高
チョン・チョン兄貴の男気にしびれる
この映画を見た人が、真っ先に語りたくなるのが
チョン・チョン兄貴じゃないでしょうか。
登場シーンからインパクト大。
口の悪い、軽い喋り方。
子どもじみたチンピラのような印象です。
しかし物語が進むにつれて、
裏切りを許さない残忍さ、
部下への情や懐の深さ、
腹の内を見せずに会話できる大物感などから、
ヤクザの組織でナンバー2にまでのぼりつめた実力と求心力を知るのです。
チョン・チョン兄貴が恐ろしくもあり、魅力的でもあり、
心を掴んで放しません。
この人がジャソンの裏切りを知った時、どんな行動をとるのか。
それを受けたジャソンが、どんな決断を下すのか。
それが本作の最大の見どころだと感じます。
ファン・ジョンミン、ずげえ!!!!
チョン・チョンことファン・ジョンミンの演技力がすごすぎて、
すごいとしか言葉が出てきません。
この映画で大ファンになりました。
どこを切り取っても名シーンばかりですが、
後ほどベストシーンをご紹介したいと思います。
変貌するジャソンから目が離せない
前半はどこか頼りない印象だったジャソンですが、
腹をくくったあとの表情がたまらなくカッコいいです。
最後のシーンも語りたくなるポイントですよね。
駆け出しの頃のジャソンとチョン・チョンが登場します。
最後に見せたジャソンの笑顔で知る、彼の本質的な残忍さ。
ジャソンは、紛れもないあっち側の人間なのでした。
イ・ジョンジェはこの映画でしか見たことがなく、
クールでスタイリッシュなイメージしかなかったので
イカゲームを見たときに「えっ、同じ人?」と衝撃を受けました。
孤独なジュングにもだえる
ねちっこくて、キレやすくて、己の力を誇示したがるジュングは、
登場人物の中で一番ヤクザらしいヤクザです。
敵対しているチョン・チョン兄貴とは、何かと真逆に描かれています。
スリーピースのスーツでキメるジュング。
パチモンのサングラスをつける兄貴。
部下と高級店でステーキを嗜むジュング。
小さな中華料理屋でくつろぐ兄貴。
などなど
パク・ソンウン演じるこのジュング。
最期まで孤独な姿にもだえっぱなしでした。
己の力を誇示するかのように事務所を建設中のタワマンに置き、
スタイリッシュなバーカウンターには洋酒が並ぶ。
見返りを求めてすりよってきた理事のじじい共に
「生かしてはおいてやる」と突き放す。
罠だと分かっていても自ら抗争に巻き込まれに行く。
死ぬとわかってて自ら家に帰る。
最期までヤクザとしての生き様を貫いた孤独な男の、一貫した美学を見ました。
メンバーが豪華
韓国映画の楽しみ方の一つが、俳優の他の出演作品を当てることだと思います。
この映画にはチェ・ミンシクをはじめ豪華が俳優が出揃っています。
例えば、理事のおじさんたち。
例えば、延辺から来た殺し屋たち。
例えば、警察のあの局長。
初見では分かりませんでしたが、本作を機に韓国映画を見るようになると「どうやってこのメンツ揃えたん?」と興奮が止まりませんでした。
なぜこんなにもバイオレンスに惹かれるのか
本作を見るまで韓国ノワールという言葉すら知らなかった私が、バイオレンスに無性に惹かれるようになりました。
魅力1. 見ているこちらまで痛くなる暴力シーン
新しき世界にも、要所要所にバイオレンスなシーンがあります。
コンクリートを飲ませてドラム缶に詰めて海に捨てる。
車で轢いてナイフで刺してバットで殴る。
エレベーターの中で殺し合う。
・・・現実世界では絶対に遭遇したくないですよね。
見るのに苦痛を伴うはずなのですが、好奇心や興奮を隠せないでいる自分自身に一番驚きました。
魅力2.生きざまを見届けたくなるキャラクターたち
登場人物を単純な善悪で分類できない点も、韓国ノワールの大きな魅力です。
新しき世界でも、正義の味方である警察のほうが悪どいことをしています。
だからといってカン課長は極悪人として描かれてはいません。
彼の狂気や執着、葛藤や苦悩など、抱えている感情を伺い知れます。
キャラクターが人間的で魅力的だからこそ、ますます物語に引き込まれます。
次に何が起こるのか、最後まで見届けたいという欲望を生み出します。
魅力3. 物語に没頭させてくれる俳優陣の演技力
声や表情、ちょっとした仕草からキャラクターの感情がビシビシと伝わるので、彼らと一体になって結末を迎えることができます。
運命や因縁、境遇から逃げることができない、あるいは逃げることを選ばない彼らの姿に、私も同じ痛みや葛藤を体感できます。
新しき世界を含め、韓国の俳優陣の演技がすばらしくリアルだからこそ、物語に没入することができます。
まとめ
今日は韓国映画「新しき世界」の感想をご紹介しました。
皆さんと共感し合ったり、違う意見を交換し合えればうれしいです。
「チョン・チョン兄貴ベストシーン」は、長くなったので次の記事でご紹介します。
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