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『民藝』読書会へのお誘い

  民藝とは、民衆が日常的に使う工藝品のことであり、民家、民具、民画を総称して「民藝」と呼ぶそうです。民藝に美の価値を見出し、言葉にし、創り、世に残してきた活動が民藝運動で、柳宗悦、河井寛次郎、濱田庄司が主たる活動者だったと認識してます。  

 どこでだったか、初めて柳宗悦氏の「用の美」という考え方を知り、衝撃のようなものを受けて、それから、民藝に関わる書籍を手に取るようになりました。

 「用の美」は民藝の思想を現わす代表的な言葉だと思うのですが、私の浅はかな理解での説明になってしまいますが、美に対する様々な観点から再考を迫る美の捉え方のように思います。鑑賞としての美、天才性に閉じ込められた美、日常とはかけ離れたところにある美に対する再考、用いる姿勢への再考、用いる物に対する価値の再考、日常性といったものに対する捉え方への再考、用いる物を作った人に対して思いを馳せることへの礼讃、その一言だけで、これまで生きてきた基盤にぐっと揺さぶりをかけられた衝撃がありました。

 生きることのなかでも、日常的に繰り返されることのなかに、もっと深い意味合いがあるのではないか、それをもっと手触り感を大切にしながら、身体の感覚を基にそれを養っていけるのではないかという、余白が大きく広がったように感じました。

 作業療法を考える立場としては、アート&クラフト運動と民藝運動との関わりの有無は気になるところですが、時代的に重なり合うところがあり、アート&クラフト運動の影響が指摘されています。また、独自の文化思想に根差かず作業療法が発展してきた歴史を持つ日本の作業療法にとって、日本土着の生活文化から見出された美の価値を提示した、日本独自の思想である民藝の思想から学び、作業療法の思想性を深める契機を民藝の思想は持っていると感じます。ただ、そういう学問的な位置づけを見出そうという志向性を脇に置いておいたとしても、自身の暮らしの1つ1つの所作や捉え方、表し方に再考と深まりと彩を与えてくれるのが民藝とその思想ではないかと思います。 

 私自身、関心が赴くままに手元に集めた民藝とその思想に関する本が貯まってきているにも関わらず、読み進めることが追い付いておらずで、関心のある方と少しずつ読み進められたらという思いから読書会を思いつきました。

 少しずつ読み進めるどの文章にも、深く胸に残る何かがあり、それが自分自身やその生活に浸透するような問いかけを残してくれます。一人で読み進めるのが勿体ないように思えまして、少しずつでも関心のある人と読み進めることで、それぞれの感慨を伝えあいながら、自身の暮らしの変化なども共有していくと、きっと10年後には、共有し合った皆が、本から得た肥やしを自身の暮らしに活かしあい、共有しあってよかったと思えることを想像できた次第です。

 読書サークルとしては、趣味活のようなイメージで、堅苦しくなく、読みたい本を皆で決めて、1~2/月程度、1時間程度、少しずつ、味わいながら読み進めるのが良いのではないかと思っています。

 参加をしたいという方は、ご連絡をくださいましたら幸いです。 
 連絡先:twitterアカウント→@takiko111にメッセージをお願いいたします。

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