認知症フレンドリー社会と認知症対処社会
引用・参考文献:徳田雄人2018「認知症フレンドリー社会」岩波新書
「認知症フレンドリー社会」は世界的に注目を集め、また日本では徳田氏が先導者となり提唱するもので、「認知症の人にとって使いやすい、認知症の人の視点にたった設計がされた社会」である。
それに対して、従来型の医療を中心とした専門家が主導する社会のことが「認知症対処社会」である。
本の中で、この2つの社会の違いについてわかりやすく表で対比して説明されているので紹介したい。
これを見ると、重要な点として、認知症対処社会は、認知症によって様々生じる問題は(と捉えるのは周囲だが)負担であり、それをいかに解消するかに焦点化がなされ、認知症の人本人には着眼していない。それに対して、認知症フレンドリー社会が重要視しているもは、認知症の人にとって暮らしやすい社会に変化できているかどうかである。したがって、当事者の参加が不可欠であるし、成果の測定についても、問題行動や不可の減少ではなく、認知症の人のQOLや声の反映度が指標となる。