不動産投資の融資:日本政策金融公庫(公庫)を徹底解説!
日本政策金融公庫(通称、公庫)は、耐用年数がきれた物件にも融資してくれたり、オススメの金融機関の一つです!
この記事の筆者「ニャルK」も何回も物件購入や、物件のリフォームなどで、融資してもらっており、大変お世話になっています!
今回は公庫を徹底活用しているニャルKが、公庫を徹底解説しますので、本記事を読むと、、、
公庫向きの収益物件
公庫のメリット・デメリット
公庫で実際に借りたときの収支実例
あたりが、わかるようになります!
このため、これから公庫で融資を受けて、不動産投資をしてみようと考えている方に、特におすすめの記事となります!
今回は、そんな公庫に、詳しくみていきましょう(^^/
日本政策金融公庫とは
日本政策金融公庫(以降、公庫)は中小企業の資金支援をするための公的なルーツをもつ金融機関です。紹介には「一般の金融機関が行う金融を補完することを旨とし、国民一般、中小企業者及び農林水産業者の資金調達を支援するための金融の機能」をもつとされています。
不動産投資も不動産賃貸業という事業にあたるため、公庫のの融資対象になります。
日本政策金融公庫の特徴
公庫はルーツが公的な機関であったこともあり、他の金融機関と違った特徴があります。この公庫をうまく使いこなせば、不動産投資で成功する可能性があります。
詳しく、みていきましょう♪
①公庫のメリット
A.個人属性(年収や預貯金額)のハードルが低めで、とにかく取り扱おうとしてくれる
公的なルーツをもつ金融機関のため、とにかく案件をまともに扱ってくれる傾向があります。
他の民間のメガバンク、地銀などは、会社員年収1000万以上とか700万円以上とか、もともと地主であるとか、一定の条件を満たさないと、融資審査の土台にすらない金融機関が多いです。仮に属性(年収や預貯金額など)が融資の土台にのったとしても、ぎりぎり土台にのるレベルでは、担当者が忙しかったりすると、適当にあしらわれたりする場合もありますしね(^^;
一方で、公庫は年収要件などは基本的になく、かつ、どんな人でもまともに対応しようとする傾向が感じられ、大変有難い存在です。
B.固定金利で低金利で調達可能
公庫では比較的低金利かつ固定金利で借入可能です。
これまで、私は公庫で10本程度融資組んだことありますが、
固定0.96%:15年融資
固定1.31%:10年融資
などなど、高くても2.1%程度で融資がおりています。
もちろん、メガバンクの融資条件に比べたら、見劣りしますが、金利変更のリスクをとらずに、0.9~2%という低金利で資金調達できているので、十分よい水準ではないでしょうか。
C.築古物件でも融資審査の土台にのる
公庫の場合、耐用年数越えの物件でも融資審査の土台にのり、10年程度の融資期間をとることができます(支店によります)。一般的な民間の金融機関ですと、なかなか、耐用年数越えの物件に対する融資が積極的でなく、そもそも融資審査の土台にのらないケースが多いなか、その点で公庫は希少な存在です。
D.全国に支店がある
公庫は全国にあるので、どこに住んでいても、相談可能です♪
②公庫のデメリット
A.融資期間が短い傾向がある(最大10年が基本)
基本は最長10年融資です。
ただ、うまく制度がはまれば13~20年融資も出るケースもあり、実際私も13~15年の融資を数本くめています。
具体的には以下のような制度です。
ただし、制度上15~20年融資可能であっても、担当者や支店判断で、10年にさせられるケースがあり、公庫の場合、10年融資でキャッシュフローがでる高利回り物件を持ち込むことになります。
B.借入上限が低い
原則4800万円程度までしか、借入できません。
こちらについても例外があり、制度によっては上限7200万円まで組めたりしますが、これはあくまで理論値であり、基本的には4800万円を超える融資はかなりハードルが高いという認識でよいです。
私の知り合いには6000~7000万円程度の融資を公庫でくんだという方がいますが、この方は例外と思ってよくて、ここまで公庫だけで融資額を伸ばした方は、ほとんど会ったことがないです。なかなか公庫だけで4800万円以上の融資を組むのは一般的には難しいと思います。
公庫向きの不動産収益物件
数百万円~2000万円程度の小ぶりな利回り13%以上(理想は20%以上)の耐用年数越えの築古アパートや中古戸建てが、公庫にあっています。
なお、利回りが10%以下の物件だと、10年融資でキャッシュフローだすには、かなりの自己資金をいれる必要があり、公庫にはあまり向いていません。
ここからは、公庫向きの物件を、公庫で10年融資で物件購入した場合の収支例を示していきます。
例①15% 1000万円(空室損を含む経費率:20%と仮定) / 固定金利1.5% 10年 融資850万円
年間家賃収入:150万円
年間経費:30万円
固定資産税:5万円
年間返済額:92万円
キャッシュフロー:23万円
=>自己資金150万円いれて返済比率61%(92/150)で、年間23万円の手残り程度です。
例②利回り20% 1000万円(空室損を含む経費率:20%と仮定) / 固定金利1.5% 10年 融資900万円
年間家賃収入:200万円
年間経費:40万円
固定資産税:5万円
年間返済額:97万円
キャッシュフロー:58万円
=>自己資金100万円いれて返済比率49%(97/200)で、年間58万円の手残りになります。
上記で見て分かる通り、10年融資を前提とするなら、利回り15%程度だとある程度自己資金をいれるとキャッシュフローがでるようになり、利回り20%になってくるとフルローンに近い形でも、それなりにキャッシュフローがでるようになります。
公庫で借りる手順
基本的な流れ
以下を郵送します。(郵送前に電話するのもありです)
・会社紹介(初回のみ)
・事業計画書
公庫より、担当者がきまったタイミングで、電話がきます。
・面談
必要書類が指示されるので、面談をします。(コロナ以降は、オンライン面談や、電話面談で完結する場合があります)
なお、この面談に臨むにあたっては、事業計画書などを作りこんでおくと、公庫の担当者様の印象がよくなり、融資がでる確率があがるといえます!
面談が終わったら、あとは人事をつくして天命をまつ状態です♪
面談後、2週間から1月程度で、結果が電話などで連絡がきます。
公庫で借りるにあたっての注意点
・公共料金の支払明細
公庫より、これもってきてと言われます!
・固定資産税の納付明細
公庫より、これもってきてと言われます!
いずれも、滞納や納付遅れがあると、融資審査に影響がある可能性があります。普段から気を付けましょう。
公庫での融資実例
これまで、多くの物件を公庫で融資して頂きましたが、ピックアップして、公庫での融資実例を紹介します(^^/
中古アパートの購入資金を公庫で融資
770万円(利回り15%、購入時築25年、購入時満室で家賃9.9万円、都内よりの茨城で比較的賃貸需要高めの場所)の物件を購入するにあたり、公庫より10年融資をして頂きました。
融資条件
金利1.31%(固定) 融資額695万円 融資期間10年
返済予定表
この融資条件の場合、月額の返済額は6.2万円になります。
具体的な返済予定表をみてみると、、、
といった形になります。
収支
家賃が9.9万円なので、9.9万円 - 6.2万円 = 3.7万円が手残りとなります。
不動産投資するときの公庫との付き合い方
規模を追求はそこまで考えていない方
築古高利回りアパートや戸建てをみつけたら、公庫を積極的に使いましょう。全期間固定金利かつ低金利で調達できる希少な金融機関です。
規模も追求していきたい方
できれば、融資上限が4800万円と低い公庫は、後回しにしたほうがよいです。
なぜなら、オリックス銀行や滋賀銀行など、最初の1・2棟にしか融資してくれない金融機関が存在するからです。
このため、まずは、オリックス銀行や滋賀銀行など縛りがある銀行が使えるなら、先に使ってしまったほうがよいと思います。
オリックス銀行や滋賀銀行の枠がなくなったら、次は公庫使っていて、問題ないと思います!
もしくは、オリックス銀行や滋賀銀行の枠がなくなったら、信金や地銀を開拓して、そちらが使えるなら、公庫は保険でおいておき、公庫は、信金や地銀で融資つかえないときに使う保険の金融機関として、とっておくのもよいでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか!
公庫は、融資期間が短くなる傾向はありつつも、耐用年数ごえ物件に融資してくれたり、属性が高くなくても融資してくれたりと、不動産投資の強い味方の一つです!
特に、公庫は、高利回り耐用年数越え物件に、はまりやすいので、積極的に活用していきましょう♪