その意思決定は、あなたを後押ししてくれましたか?[行動編 #18]
成果をあげるエグゼクティブを論ずるにあたって、意思決定は特別の扱いを受けるに値する。(中略)
エグゼクティブたる者は、いくつかの明確な要素と手順から構成される体系的なプロセスとして、それらの意思決定を行わなければならない。
『経営者の条件』第6章 意思決定とは何か p154より
成果をあげる5つの能力
①時間管理
②貢献
③強み
④集中
⑤意思決定
の5番目、最後の砦が意思決定です。
1日の中で、35,000回も意識的・無意識的に意思決定をしているそうです。
毎朝コーヒーを飲む、というどちらを選択しても大きな変化は生まれないものから、転職することにする、といったその後の人生を左右する決定まで、さまざまな種類の意思決定があります。
仕事をする中でも、意思決定は重要な部分を占めています。
明日の営業のアポイントメントを取るかどうか、この商品を販売網に乗せるかどうか、企業買収を行うかどうか……仕事における意思決定にも、頻度や重要度に様々な濃淡があります。
コーヒーを飲むか飲まないか、という数秒もかけずに決断できるものと、何年も悩んで転職を決める、というものまで、集中度合いも様々です。
その決定は重要であるかどうか、緊急であるかどうかという尺度もありますよね。
重要だけど緊急ではない意思決定に集中できればできるほど、成果をあげることのできる確率は高くなってきます。
意思決定という言葉を聞くと、一番集中してこの意思決定について『経営者の条件』を読み続けていたタイミングで、平昌オリンピックのカーリングを観ていたことを思い出します。
『0から1をつくる 地元で見つけた、世界での勝ち方』 (本橋麻里 著 講談社)のご紹介です。
カーリングは、あまりテレビで放送されておらず、詳しいルールなど知らないまま、引き込まれていました。
氷の状態は観客の数に左右されます。
一投前のスイープに左右されるところも大きいでしょう。
その一投を再現することは叶わないであろう繊細な競技なんだなぁ、という印象を強く持ちました。
投げて、スイープして、約37m離れたハウス(目標区域)に到達するまでの短い時間の間に、かなりの意思決定がなされているように感じたのを覚えています。
それまでの練習を信じ、勝てる石の配置を目指して投げる人、スイープする人、見守ったりバックを固める人たちの意思決定が、その一投に籠められている、そんな気がしました。
この本は、そんなカーリングと関わる人生における様々な意思決定を優しい言葉でつづってくださっています。
何度も読んだけど、開くと、ついつい次のページへと誘われます。
ドラッカーを学び続けようという意思決定をさせてくれたのは、この本だったのかもしれません。
5つの能力を修得しなければならない、とドラッカー先生はおっしゃいます。
その中でも「意思決定は特別の扱いを受けるに値する」んですよね。
手順と書かれているけれど、ハウトゥーではありません。
どの意思決定も、同じ工程をたどれば成せるものではありません。
その意思決定が必要となった背景があり、関わる人がいて、目指す未来があります。
意思決定は未来をつくる大きなカギを握っています。
意思決定は、あなたの能力を高め、あなたの強みをより強固にし、あなたができる貢献を決定します。
あなたはこれまでに、どんな意思決定をしてきましたか?
その意思決定は、どんな手順によりなされましたか?
その意思決定により、どんな未来を手に入れましたか?
『実践するドラッカー【行動編】』
chapter2 意思決定が未来をつくる p46 #18
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実践するドラッカーシリーズは、膨大な数のドラッカー先生の言葉を選りすぐり、5つのテーマ別にまとめられた書籍です。
編著者の佐藤等先生は、札幌を中心に全国各地でドラッカーの書籍を中心に読書会を開催されてきました。
ドラッカー先生の言葉と佐藤先生の解説が1セット、そこかしこに「今のあなた」に必要な言葉が散りばめられています。
佐藤先生の解説は、ぜひそれぞれの書籍で確認してください(*^ω^*)
ここではわたしが感じたことをお伝えしていきます。
自ら考え、決定し、行動するあなたのためのドラッカー、一緒に探してみませんか?
【行動編】は、あなたが成長し続けるためにはどのような行動が必要なのか、成果を出すための行動の仕方がまとめられています。