【料理の旅人 再現中華2】 香辣小龙虾 xiang la xiao long xia / ザリガニのシャンラー
ザリガニ 2023.5
” 小龙虾 xiao long xia シャオロンシャ "= ザリガニのこと。
” 大龙虾 da long xia ダーロンシャ " はちなみに、海のロブスター系の呼び名。
2000年代、中国全土で爆発的な大流行を産んでいたザリガニ。
私が、中国で初めて=人生で初めてザリガニを口にしたのは、2004年或は2005年のこと。
夏になるとそこら中に、ザリガニ屋が現れ、炒めて辛く濃厚な味つけで提供している。外にテーブルを並べて食す人々が、次々とザリガニの殻を山にしていく姿を横目に恐る恐る食べた記憶。
ラー油で” ギットギト ”の熱々のザリガニを、薄いビニールの使い捨て手袋をしてむしゃぶりついている。一人で1kg、2kgと大量のオーダー。柄の割に、とれる肉が多くはないので、食しているのはその1/4ぐらいか。
当時のザリガニは泥抜きができてないものも多く、淡水のもので吸虫とかもおっかねえ、と警戒していた。
味付けも濃く、辛く、油も多い。それらが理由で苦手意識の強い食材であった。
産地
原産地は、メキシコ北部からアメリカ南部だとか。
ブルースマン、ジャズメン達がザリガニを食べていたイメージはないが、ヨーロッパやアメリカでも食されるもの。日本人だけは馴染みのある生物でありながら、食すことに積極的でない素材。。。
北海道にいた頃に、湖で養殖したザリガニをホテルで出してるって、聞いたことはあったが、一部の洋食で取り扱うくらいのイメージ。
中国自体は1960年代に食し始めたらしい。
70年代にアメリカザリガニを導入してからは、その繁殖性の強さゆえに水面の植物、水中の植物の減少を招いた。穴を掘る習性から土手が決壊し、灌漑用水を失うなどの多くの農田被害が出たようだ。現在は、野生種の過剰な繁殖を抑制しながら、大規模な管理養殖を実現している。もはや、ザリガニの輸出大国だ。
何かと反目、対立しがちな 中国 vs アメリカ、ニュースで見ないが私たちの知らないところで” ザリガニ外交 " とかあるんだろうか。
湖北省、重慶より西側にある潜江市が大きな産地であるらしい。そこの職業学校には” ザリガニ学部 "もあるらしい。
私の苦手意識は継続していて、毎年一回ぐらい食せば十分の代物だったが、時代とともに、泥をかんだものを見かけなくなり、素材の向上とともに調理法のバリエーションに変化が出てくるのを見た。
エビ同様に茹でた後、氷水で締めた " 冰镇 bing zhen ビンズン "( 酢や醤油をつけて食べる)、油の使用を抑え味付けのあっさりとしたモノなども。
材料の変化が、料理の仕方に選択肢を与えている。。。
いざ挑戦。
日本で扱うことのないであろう食材。帰国前の思い出、自分で作る最初で最後の ” 香辣小龙虾 。
▼ 生きたザリガニなんて子供の頃、田んぼで捕まえて遊んだ時以来、、、
8秒ほどのショート動画で。
これも、夏場は菜場(ツァイチャン)で普通に売られているもの。
一匹一匹を歯ブラシで軽くブラッシングして、洗浄。キッチンバサミで目から先の部分をカットして、頭の中の黒く苦味があるとされる部分を箸で引き抜く。
そして尻尾の先から、背腸を引き抜くのはエビと同じ。
頭の先をカットして箸を入れた時に、これって一匹づつ活け締め、神経締めしてるのと同じだなんて思いながら黙々と。。。
香辣
“ 香辣 ” とは唐辛子を油の中で加熱し、抽出された辛味と香ばしさのことである。私にしてみれば中国の人たちが日常で食べている料理の半分以上が " 香辣 " であるように見える。
▼ お家でザリガニ、8秒ほどの仕上がり動画。
完成
香菜 と小ネギを散らして完成。
小さな幸運、ビールの当たり。
もう一品。
大量に出る殻を炊いてスープを引き、もう一品、
ザリガニのスープに、少量の豚ひき肉を加えて出来上がり。
オリジナル " 小龙虾汤豆腐 " 、ザリガニのスープ豆腐なんつって。