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【料理の旅人 再現中華5】 北京烤鸭 bei jing kao ya / 北京ダック再び

【料理の旅人ー再現中華ー】
2023年3月、既に風天を閉め、会社の清算、廃業申請の認可待ち。
帰国寸前に20年間に及んだ中国との関わり、生活の集大成。
ネガティブな問題の蓄積、結果として離れる中国だが、無駄にせずポジティブな経験とすべく、ギリギリまで中国旅をして郷土中華料理に親しみ、中国の素材を使った料理、日頃距離を置いた( 日本食を扱う仕事の為 )中華の技法を独自に学ぼうと試みた。
仕事と違う側面。日本人料理人による、中華への取り組みを記事にする。
日本人的なアレンジは多少あるが、食べて舌から学んだ料理を再現したもの。
旅の料理人としてのアーカイブ。

再現中華ー寄稿に際してのコメント 


モンゴル産 北京ダック用のアヒル          2023.4.2

2023年の3月末に第一回自家製北京ダック制作を行ったばかりだが、北京ダック用のアヒルは通常のアヒルと違うものを使うということを知り、すぐに取り寄せを行った。
モンゴル産。風味の良い餌や管理生育環境で作られたアヒルは色白な。
一羽 約2000円ほど。内臓は綺麗に掃除されていて、副産物無し。冷凍モノ。


 ポンプで皮下に空気を送って膨らませ( 皮を身と剥がしておくことで皮がパリッとしやすいとか)、今回は合わせ塩を腹の中にだけ刷り込む。
お尻の穴は左右から、引き合わせるようにして金串で縫うように止める。熱湯を表面にかけて、皮を引き締める( 尻の縫い目に念入りにかけると、キュッと閉まって密封性が良くなる )。表面の水分を拭って、乾いたら水飴でコーティング。


特許申請中?

ベランダに干す。ハンガーを改造してダックハンガーにしてみた。重量に耐え、しっかりと固定してくれるナイスな強度。

首吊りにして 『对不起 dui bu qi ドゥイブチー( ごめん )  』。

外は晴天。春先、陽が当たらないとはいえ、真昼間。いい温度かと思うのでサーキュレーターで突風乾燥。

この日、音楽家 坂本龍一の訃報が流れる。この3月28日に逝ったのだと。


前回から、何日も経たないが学習を深めた。ジューシーな焼き上がりのために、脇を裂き、そこからスープを注ぎ入れて焼くのだという。
密封したお尻が大活躍。和風の出汁を用意した、腹の中にはたっぷり刷り込んだ合わせ塩が残っていて、そこに出汁を注げば。。。想像しただけでもう。

腹に水を飲ませるアンコウの吊るし斬りのようだ。
ステンの箱であるスモーカーも、アヒルの腹にスープが入ることで、スチームオーブンに化ける。

ここまで焼いた状態でスープを抜く。

 ▼  スモーカーでのローストはここまで。完成まじか10秒のショート動画。


油で表面を焼く

今回は、皮のパリッと感を出すために熱した油をかけながら仕上げた。
少し余計な油がついてしまうのだが。。。


完成。

▼  出汁焼きの効果。


巻いて食す

やばい。皮作りがまた進化。


更に磨きのかかった北京ダック。

前回の菜場で購入した、アヒルは野生味ある味わいだったが、
今回のモンゴル産のアヒル、脂っこくなく、肉の味は綺麗でありながら良い風味がある。それぞれの持ち味としたいが、厳密にいうなら料理としてはこのモンゴル産のアヒルが格段上の仕上がりを見せてくれる。クセのなさが他の料理にも生かしやすいのではないだろうか。


おまけ アヒルと豆腐のスープ

翌日、取り置いた骨身でスープ。具材はシンプルにでっかい豆腐。
土鍋に盛ると何でも美味しそうに見えるな。いや、本当に美味しいけど。


更なるおまけ 北京ダックバーガー

更に翌日。冷蔵庫に入れていた食べ切っていない北京ダックを赤味噌のソースを作り、ハンバーガーに仕立ててみた。ええ感じ。

北方、南方、2種の違うタイプの北京ダック挑戦は、無事に美味しい料理を派生させながら納得レベルで幕を下ろすのでした。。。


                                  以上


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