中国で食材と戯る。(17) 稚ハモ
” 小さな鱧 " 2017.10
" 海鳗 hai man ハイマン "
中国の ”ハモ "はこのように呼ばれる。”噛む”からの” はむ " H M "の響きでハイマンも覚えやすい。
市場で、全長20cmくらいの長い鮮度の良さそうな魚を発見。何だこれは?
鰻? 穴子? うっすらと金色の射す背中、小さいのにやたらしっかりして見える口元。。。『 鱧だ!』
日頃見慣れないものに怪しい目を向ける私だが、実はこの年の夏に常州の市場で氷鮮モノの鱧(成魚)を見つけ、扱ったことがあった。
店の近く、普通のご近所市場、菜場(ツァイチャン)である。その流れがあったのでここに鱧の稚魚がいることを割と早く飲み込めた。
すげぇ、鮮度良さげだけど ” 雑魚扱い "、こんなに珍しいものなのにローカルの買い物客は目もくれない様子。幸運。そこにある分を全部いただくことにする。
こんな小さいの獲るなよ、と一瞬思うが、私の一連の記事にあるように、中国の養殖事業の発展の恩恵モノであることは間違いない。
かつては " 海腥味 hai cing wei ハイシンウェイ " =海の生臭さがある、と言って淡水魚の方が人気だった中国内陸部の人たちにも、海の幸が気軽に届く体制が完成しつつある。知らない人が多い海のモノがご家庭に進出、日本料理店も自分で捌く魚の選択肢に可能性の兆し。
何あれ、光った美しいモノ、触れてみよう。
” 稚ハモの柳川風 "
” 稚ハモの雑炊 "
姿が似ても、穴子などとは桁違いの旨み、
姿が似ても、鰻よりはるかに上品な旨み。 すげぇ。
" 稚ハモの握り寿司 "
これも使える。高評価、使うき満載で SNSにアップするも、その後、
こいつらに出会うことは二度と無く。。。また、お客さんには出せないのか?
ほんま。。。
国を罵る言葉が溢れてくる。
素材に出会った喜びと、それを使わせてもらえない悔しさと。
2017年、中国の多岐に広がり続ける養殖技術に、完成度を見る。
以上