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中国で食材と戯る。(40) サーモン-2 皮身
( 私が中国という国、土地で扱ってきた食材たち )
ある時は店の為、ある時は自分の食事・好奇心の為。
ある時は、海外からの輸入物、日本からの輸入物、もちろん現地の魚、肉、野菜。
ある時は ”試行と錯誤”、ある時は ”創意と工夫”、そんなこんなで続けてきた、自身の調理と撮影。
仕事であり、趣味であり、日常であった 私のライフワークアーカイブです。
中国人はサーモンが大好きな反面、血合いの部分を鮮度に関係なく嫌がります。
橙色の身と皮の間にある、異色の身。血が多く通う部分で、鮮度が落ちると真っ先に生臭さを出し始める部位ですが、鮮度の良い時に皮を引いて、身の上に銀色の柄が残っていることが包丁の技術であり、鮮度の良さ、または素材を無駄なくいただく心得だと日本人は思うものですが。。。
中国人。日頃、濃い味付けや、ニンニク、唐辛子、大量の油で舌が繊細でないと思っては大間違い。
“ 腥味 xing wei シンウェイ " =腥 (なまぐさ)さに対して日本人以上に敏感な側面があります。日頃口にしない、あるいは得意でないものだからこそ敏感なのかもしれません。生卵なんかも、よく” 腥 "とか言ってました。
私は自分の管理する魚に自信があったので、長年積極的に皮身(血合い部分)をつけて刺身を提供するようにしていましたが、提供した後に、皿が戻されて、すでに切り分けた刺身の1枚1枚から血合いを取り除いてくれと言われたことがあります。面倒だとも、思いましたが、ここまで嫌がるものなのかと、理解しました。
好きではないと知っていても、日本人的、あるいは私の個人的な主張を推して、勘違いな、サービス意識の足りないやり方をしていたと考え直しました。
遠慮なく血合いを皮に分厚く残して、綺麗な上身だけを刺身とするようにします。(中国の日本食料理人は皆そうしていた)
しかし、大量に出るその皮身を捨てる店も多いようですが、私の理屈はそうはいきません。お客さんに出せないのではなくて、出さない部分だということ。食して成仏させるべきです。アイヌ文化に負けじと、命を味わい尽くす、命を使い切る心得で賄いに挑みます。。。
サーモンの皮身を頂く。 2021.12
焼きサーモン皮身のせ御飯
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サーモンの八宝麺
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トロミのある出汁で。
ホタテとサーモン皮身のミルフィーユ
![](https://assets.st-note.com/img/1726020416-cTMNSvRbwagW8OAjIKhD7Cy3.jpg?width=1200)
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サーモン皮身のねぎま
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” ミルフィーユ "、" ねぎま " 共に皮がパリッパリであることが大前提の作品。
皮目に薄くオリーブオイルを塗ることが秘訣です。普通のサラダ油で綺麗な焼き目を作ることができますが、食感は生まれません。
魚の皮にはオリーブオイル! 驚くほどの効果があるので試して欲しい。
個人的には楽しい仕上がりですが、これを注文いただける商品にするにはもう一工夫必要か?
あるいはサービスで刺身の後に出して、皮身を食べる教の布教活動にあたるべきだったのかもしれない。。。
以上
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