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【料理の旅人 再現中華4】 北京烤鸭 bei jing kao ya / 北京ダック
【料理の旅人ー再現中華ー】
2023年3月、既に風天を閉め、会社の清算、廃業申請の認可待ち。
帰国寸前に20年間に及んだ中国との関わり、生活の集大成。
ネガティブな問題の蓄積、結果として離れる中国だが、無駄にせずポジティブな経験とすべく、ギリギリまで中国旅をして郷土中華料理に親しみ、中国の素材を使った料理、日頃距離を置いた( 日本食を扱う仕事の為 )中華の技法を独自に学ぼうと試みた。
仕事と違う側面。日本人料理人による、中華への取り組みを記事にする。
日本人的なアレンジは多少あるが、食べて舌から学んだ料理を再現したもの。
旅の料理人としてのアーカイブ。
アヒルの購入
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赤いLEDのせいで肉屋はみんなこんな鮮度の
見えにくい状態になっている。時代の逆行な。
1日目 下ごしらえ
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砂糖を加えて合わせ塩を作る。
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下味を刷り込んで、しばらく置いた後に、皮に熱湯をかけて表面を締める。
水飴を表面に塗り一晩乾燥させる。
2日目 燻し焼く
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皮と胸肉を一緒に包丁で削ぎ取る。一枚削ぐごとに左右に互い違いに重ねて盛り付けるのが基本らしい。
これは、しっとりとした皮と肉を一緒にいただく北京式のローストダック。
日本人がよく知る、パリッとした皮だけを薄皮で巻いて食べるのは、実は南方の広東式のローストダックであるという。
薄皮を作る
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一枚づつある程度の薄さに伸ばしたら、油を塗って5枚ほど重ねそれを更に伸ばす。
縁を切り取って大きさを揃えたものを、重ねたまま蒸す。
蒸し上がりを一枚づつ剥がして使用する。
北京ダックの完成
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ソースには甜麺醤(甘い赤味噌)をアレンジしたもの。
肉と一緒に巻いて食す。
内臓の冷製
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副産物も色々。心臓、レバー、砂肝、は柔らかく火が入るように茹でる。
手羽と、足の水掻きは20分以上の加熱。一度しまった身が柔らかくなり始めるところまで火を入れる。
” 卤水 lu shui ルーシュイ " という技法。
” 糟卤 zao lu ザオルー " という中国の発酵調味料を使う(香りは違うが、色の少しある白醤油のようなもの)。鰹と昆布の出汁で割り、唐辛子を入れた汁に漬け込んでおけば出来上がり。それぞれが冷たい状態で楽しめる硬さで加熱できているかがポイント。
3日目 薄皮をもう一度
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薄皮は、二日連続なので上手くなっている。
仕上がりが完璧。アレンジして全粒粉を配合。
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小さな成長を喜んだりして。
ローストダックのスープ
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胸の皮と肉を削いだ残りの骨は、野菜と共にスープに。
北京ダックの専門店に行くと定番である。
おまけ 葱餅 (ツォンビン)
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これは、山東省の曲阜で食べた、名物料理
" 煎饼卷大葱 jian bing Juan da cong " というものの再現。
今回、記事を書くために調べると、小麦粉とトウモロコシ粉で作ったものや、このように全粒粉で作った " 麦饼 mai bing " というのもあった。
香ばしい薄皮で長ネギを巻いて(他の具材も自由に加えることができる)、
” 大酱 da jiang " という大豆由来のとろみある味噌をつけるか中に一緒に巻いて食べるもの。
さらなるおまけ 泡煎饼
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焼き上げた香ばしい薄皮を " 泡 pao ポー "(= 水分の中に浸ける)する。
ローストダックのスープに刻んだ " 煎饼 を加えてもう一品、
” 鸭汤泡煎饼 ya tang pao jian bing ヤータンポージェンビン " の出来上がり。
ここまでやると、アヒルのコース料理屋ができそうだ。。。
2023年、3月。以前からずっとやってみたかった北京ダック作りを、なんとか帰国前に挑戦できてよかった。
がこの後、北京ダック用に生産されているアヒルがいる事を知り、今一度チャレンジして帰国することになる。。。
以上
▼ 記事を追加。モンゴル産のアヒルで広東式のパリッと。。。