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【料理の旅人 再現中華13】 糖醋排骨 tang cu pai gu / 甘酸っぱい豚のスペアリブ
【料理の旅人ー再現中華ー】
2023年3月、既に風天を閉め、会社の清算、廃業申請の認可待ち。
帰国寸前に20年間に及んだ中国との関わり、生活の集大成。
ネガティブな問題の蓄積、結果として離れる中国だが、無駄にせずポジティブな経験とすべく、ギリギリまで中国旅をして郷土中華料理に親しみ、中国の素材を使った料理、日頃距離を置いた( 日本食を扱う仕事の為 )中華の技法を独自に学ぼうと試みた。
仕事と違う側面。日本人料理人による、中華への取り組みを記事にする。
日本人的なアレンジは多少あるが、食べて舌から学んだ料理を再現したもの。
旅の料理人としてのアーカイブ。
糖醋排骨 tang cu pai gu 2019.3
” 糖醋 tang cu タンツー " 、中華料理の中でも広く伝わる技法の一つで、江蘇省無錫を発祥とするもの。読んで字の如く、砂糖と酢で味付けされた甘酸っぱい料理で、日本人のイメージする” 甘酢 " というものよりかは遥かに甘い。
” 糖醋排骨 tang cu pai gu タンツーパイグー " 。
その " 糖醋 "という料理の中でも最も有名な料理の一つ。
広く伝わり、上海、浙江省、江蘇省、四川省、福建省、広東省、でも伝統の名物料理の一品に挙げられる。各地様々な手法のアレンジがある。
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通常、使うのは豚のスペアリブ ( 肋骨 )を骨ごと筒状に切断したものだが、この回使用したのは肋骨の付け根側、少し身の多いところで軟骨を含む。大振りな肉を、多めに作る、また一味違う作り方でいこう。
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使うのは、ビールと、地元の蜂蜜、鎮江の黒酢。
これで大振りな肉も約20分の炊き上げでちょうど良い食感になる。
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肉を油で炒め、水、ビール、蜂蜜、砂糖、醤油、多めの汁で炊き始める。
肉に熱を加える媒体としてたっぷりの煮汁になるが、一度そこに出たスープを
強火のまま加熱していき、甘辛酸っぱいタレとして凝縮させて全てを肉に絡めとる。
酢は肉を締めるが、骨離れを良くしてくれるのでこの時点で少し加えておき、仕上げに再び加える。
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糖醋排骨は、肉単独の料理で他の材料は加えない。
しかし、自分の食事としてのバランスの為に、おでんより小ぶりに下茹でした大根に肉汁を絡める。
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仕上げの酢、たまり醤油、塩は調整だけ、で煮汁を詰め切ったら完成。
糖分と、煮詰めた肉汁で黒光りした " 甘酢スペアリブ " の出来上がり。
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私にとっては無錫の思い出もまた甘酸っぱいもの。
以上