【料理の旅人 再現中華9】 剁椒蒸鱼 duo jiao zheng yu / 湖南地方の蒸し魚
部屋からの眺め
川魚を買う。
目奈陀
いろいろな魚で作られている料理、" 鲢鱼lian yu " = レンギョを探したが、大きく一人では食べきれない。見たことないのないコイツがいたので、買って帰った。
鱗の柄、全体的な雰囲気が” ボラ " に似ている。その流れで検索してみたら、やはりボラ目の " メナダ ( 目奈陀 ) "という日本にもいる魚らしい。
海水、汽水域、河川にいるよいうだが、これは菜場の扱いから見て、淡水養殖物。
目が赤いので " 红眼 hong yan ホンイェン " と呼ばれる魚。ちょうど春夏が旬らしく、市場に出始めた頃合いだったようだ。
韓国人が好んで刺身にして食べるのだとか。ルックスが刺身にしてくれと、私に語りかけなかったので、鮮度は良いが刺身にはしていない。味はいいらしい。。。
粉丝 fen si
春雨を準備。これを魚の下に敷いて蒸す。
中国語では” 粉の糸” で、” 粉丝 fen si フェンスー "という。有名人のファンのことも” 粉丝 ” と呼ぶ。まとわりつくイメージだろうか。
中国語の検索に、” 春雨 " を入れても食品にヒットしない。美しい名前は、日本人がつけたのか、やるな日本。( 日本語の意味などを調べると、八割がた中国語由来で悔しかったりするわけで )
日本で春雨と言えば、緑豆デンプンが主流、と思っていたが、中国に渡ってからさまざまな種類のデンプンで作られたものに出会う。
形状、色目も様々。ジャガイモ、サツマイモ、コーン、、、
この灰色の春雨は、おそら"く红薯 hong shu " = サツマ芋デンプンで作られたもの。この日の空模様に似た色合いだ。。。
白く糸のような緑豆モノが上質とされているようで、日本に定着したのはこのタイプだ。個人的には、珍しい " 蕨 " で作られた真っ黒なモノが見た目も味もインパクトがあり、美味しかったのを覚えている。
“ 剁椒 duo jiao "
” 剁椒 " という調味料?食品?がある。
真っ赤な唐辛子を刻み、塩漬けにして水や油に浸して瓶詰めにしたもの( 地方により酸味のあるもの、無いものがある )。それを魚の上に乗せて蒸しあげたのが、
” 剁椒蒸鱼 duo jiao zheng yu ドゥオジャオズンユュ " という料理。
湖南省の特色ある伝統料理の一つ,魚の頭だけで作った " 剁椒蒸鱼头が有名。中国八大料理系統の一つ " 湘菜 " は四川料理より辛いと聞いたことがある。
これは、” 泡椒 " 。刻んでない青唐辛子を丸ごと酢漬けにしてある。これをそのまま、アテにして白酒を飲んでる中国人もいた。
今回、真っ赤な” 剁椒の辛さは私には強烈すぎるので、
" 辣椒 la jiao " でなくて、” 红园椒” ( = 赤パプリカ ) に置き換えて、この泡椒 を刻んで混ぜ、味を整えることにする。
剁椒蒸红眼鱼
強火で7分蒸して、火を止め蒸らし7分。
辛さを適度に抑えた、” 剁椒蒸鱼 " の出来上がり。
魚の旨みを吸った春雨も美味しい。
日本の郷土料理で、瀬戸内に伝わる " 鯛めん " というのがある。
鯛の姿煮に素麺を盛り、鯛の煮汁をつけ汁として食す料理。
素材や調味料は違うけども、美味しいものを食す発想は世界中、共通して決して遠いものではない。
これは、今回の師匠。
常州、家の近所のお気に入り漁村料理店で食したもの。THE 湘菜 といった感じの真っ赤な料理。美味しいのだが、私の胃にはギュッと刺さる辛さ。これと50度近い白酒 をやると、もうお尻まで火を吹くようなことになる。
麺は、細めのビーフンのような麺だったか。。。
再現中華シリーズにありながら、今回は個人的アレンジが大きく、本家と大きく離れた感じの仕上がりだが美味しく食べれたことは間違いない。
以上