中国で食材と戯る。(6) すっぽん
" 甲鱼 jia yu ジャーユュ " 2013.1
” 鼈 bie ビエ"、日本ではこの漢字を " すっぽん "と読む。音読みは " ベツ "。
日本料理ではその姿から” まる "とも言う。日本では高級な食材の類である鼈。
良い料理屋に行かなければ、見ることも食べることも無いものという印象。
中国では" 甲鱼 jia yu ジャーユュ "又は " 王八 wang ba ワンバー"と呼ばれ、近所の市場の河鮮魚屋で生きたものを購入できる。一定の大きさのスーパーでも生簀を置いてるタイプの店舗なら普通に生きたものが並んでいる。頻繁に購入を見かける事はないが、そこら辺のアパートで主婦たちが家庭料理で " すっぽん "を扱う可能性もあるという環境。
養殖も盛んで、日本より身近な存在。
1月も終わりにさしかかる頃、日々の酒疲れで弱った体が欲したのでは無いだろうか。ふと家で " 鼈 "を調理している記録が。。。
1kgもないサイズ、それでも5年ものくらいだろうか。普通に見かける標準的な大きさ。 ” 14年モノ2.5kgぐらいが最良 ” という中文の記事を目にしたが、そこまで大きなものは見たことがない。60年ほど生きる生命力があるらしいが、その手の本当の高級食材は我々庶民の手の届くところにはないはずだ。時間とコスト、酒でも”エイジド”はお高い。まして、生きた物、野生の天然物まで。
何の酒で割って飲んだか記録していない。この回、おそらく赤ワインかウィスキーだったような。。。
" 四つほどき "という解体の姿、Weixin には写真を直接アップしていたが、改めて見ると結構。。。なので。
捌きながら最初に手をつけたのは刺身。 肉に厚みがあるのは、もも肉くらい。生姜醤油で。ワイルドな噛みごたえ、命をいただいていると本能に訴えるような食感。
日本で扱った事が無かったので、最初の首を落とすまでが緊張でした。
すぐに首を窄めるので、裏返してまな板に置き、首を伸ばして起きあがろうとするところで、片手で首を掴まえて包丁で付け根を一閃!
てっきり裏返った鼈は天 (腹側)に向かって首を伸ばすと思っていたのだが、実際は鼻先をまな板に当ててつっかえとする逆反り( イナバウアー )状態で首を思い切り伸ばすことに驚いた。
刎ねた首は生命力が強く、切断後も噛みつきに注意しながらその血をいただく。
日本酒、ワイン、ウィスキー、その後いろんな酒と合わせて、この初回が何で割ったか覚えていない。。。
いろいろ考えて、度数の高い方で飲んだ気がするが。
” ほどき (解体)" 自体は、自然に包丁が通りやすいところに当てていくだけで自然に行える。
刺身はクリアな味だが、全体にしっかりとした魚よりも強いクセがある。多めの酒、生姜。身のほぐれが良くなるかと少量の酢を差す。
溶け出す旨み。滋味である。
最後の雑炊まで食すと体に力が宿る気がしてきたのは確かだった。
頻繁に扱うことはなかったが、煮凝りを作ったり、それで小龍包を作ったり、
またの記事にて紹介しようと思う。