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中国で食材と戯る。(42) マグロ-1
( 私が中国という国、土地で扱ってきた食材たち )
ある時は店の為、ある時は自分の食事・好奇心の為。
ある時は、海外からの輸入物、日本からの輸入物、もちろん現地の魚、肉、野菜。
ある時は ”試行と錯誤”、ある時は ”創意と工夫”、そんなこんなで続けてきた、自身の調理と撮影。
仕事であり、趣味であり、日常であった 私のライフワークアーカイブです。
中国語で “ 金枪鱼 jin qiang yu ジンチャンユュ "。
海で最高160km / 毎時 で泳ぐことができる魚は、流線型の形も相まって” 金の槍 "の魚と呼ばれるようになったという。
英語の " Tuna " 由来の、” 吞拿 tun na トゥンナ "、日本の " 鮪 you ヨウ "も一部の表記、または呼び名として有効である。
” 蓝鳍金枪鱼 lan qi jin qiang yu ランチージンチャンユュ " = 本マグロ
" 大眼金枪鱼 da yan jin qiang yu ダーイェン ジンチャンユュ " = メバチ
” 长鳍金枪鱼 chang qi jin qiang yu チャンチー ジンチャンユュ " = ビンナガ
“ 黄鳍金枪鱼 huang qi jin qiang yu ホァンチー ジンチャンユュ " = キハダ
“ 南方蓝鳍 nan fang lan qi ナンファン ランチー " = インドマグロ( ミナミ )
という呼び名になっていて、今やどの種類も、大きさ、部位も仕入れの選択肢が広くなっている。20年前は、キハダのガスで色止めして真空パックした冷凍の柵になったものばかりで、鮮やかな( 不自然な ) 蛍光ピンク色の刺身だったことを思い出す。
時は進んで、日本より選択肢のあるマグロ。日本からのマグロを氷鮮で丸一本仕入れることも可能。日本よりも、多くのホテルや大中規模の料理店で解体ショーが繰り広げられ、近年はサーモンに追いつけと言わんばかりの消費の急成長を見せた。
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尾の方。
風天は店が小さく、常州は刺身といえばやはりまだサーモンとボイル北寄が主流の地方都市。日本人の私がやってる店でも、多くは売れないマグロにこだわりきれず、一本300gそこそこの冷凍で柵にカットされたモノ、スペインあたりのバチマグロを扱ってきた。
だが、大型料理店の出店が増える傾向や、市場の質の向上もあり、コロナ禍の少ない客を相手にし始めてから、私自信もマグロの扱いを変化させていくことにした。
まずは、2kg以上のブロックの仕入れに切り替える。丸々刺身なら、余す量だが、60%を刺身の柵に取り、残りの筋身などを副産物として活用しきれば問題ない。
刺身/ 寿司 の質の向上目的からの仕入れ変更だったが、逆に、副産物で作る料理、鍋、おでん、焼き物、その他、が美味しくなるので、筋身欲しさに積極的に塊のマグロを扱っていくことになる。
この後、数回に分けて、派生する料理の紹介などを記事にしようと思う。
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▲ 小ぶりなバチマグロ。
身の色が浅く味も若くサッパリしている。中国ではこのぐらいの方が、食べなれない人にも受け入れられ易い。
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▲ 大振りなバチマグロ。
身の色がだいぶしっかりとしている。完全に解凍されると、中心のような鮮やかな赤色になる。味も小振りなものより、濃い赤身の味がする。
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▲ バチマグロ。上の方。
脂が少し入ってバランスが良い、赤身ー中トロの中間的な部位が獲得できるところ。カットした筋身は刺身としては歯にかかるが火入れする調理には最高のアイテム。
梳き身の寿司
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鰭骨身の塩焼きポン酢
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マグロ筋皮のポン酢
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以上
▼ 記事追加しました。 マグロのアレンジなど。