黄昏　はじはじのつづき

黄昏時に見たものは
茜色の母の愛
妹を膝に乗せ
諦めた様に笑っている

妹は母の膝を
両手で抱えて眠る
私が近づくと睨み付け
これは渡さないと
泣きじゃくる

仕方なく父の側
タバコの輪っかの作り方
覚えて真似てまん丸い
煙の輪っかを作ってた
上手に浮かぶ真白い輪っかを
妹は両手で受け取った

黄昏は時々に
冷たい愛を連れてくる
あなたには渡さないと
見せびらかしにやってくる

輪っかを作ってあげよう
白い輪っかに全て
ほしいものを
詰め込んであげよう

黄昏時を憂いてた
私を見かねて輪っかは言う
悲しい歌はもうやめて
坊やにねんねこ歌いましょ
坊やにねんねこ歌いましょ

泣きくたびれた坊やは
母の膝を両手で
抱きしめて眠る

手の届かない家族を
遠くで見守っていた
私の小さな部屋に
おリンを鳴らして世話をする
母の名前を考えた

時々妹も訪れる
父と母をお参りに

そして2人で林檎を剥いて
半分ずつに
分けて食べる

黄昏時に見たものは
林檎色の父の愛
いつか解かる時がくるから
諦めないで大丈夫

二分の一の林檎に
黄昏を書いてあげよう

あの輪っかに乗っかって
2人で愛を見ていよう

シモーヌさんの企画に、参加させていただきます。

こちらの、はじまりのはじまりのストーリーの続きです。

チハヤさんの記事がとってもステキなんですよ～＾＾

黄昏は、愛を連れてやってくる

あなたの瞳の奥に

覚えているかな