みみ の役割
来月あたり、新人さんがひとりだちする。私も今月の出勤日は教える側に回ってる。こんなぽんこつが、大丈夫だろうか。昔から全方位に自信がないため、リーダーや私に教えられる新人さんに、なんだか申し訳ない。当番制なのがまだ救いだ。
私のコミュ力というのは、瞬間であればわりと高い。だから人当たりが良いとも言われる。しかし持続しない。勢いよく話してたのに、ほどなくして「すん…」と静かになる。話せなくなる。
普段は大してコミュ力がいらない仕事だが(入力メイン)、教えるということは、ひとと関わらなければならないということだ。なけなしの、そして持続させるのが難しいコミュ力(高め)を発動させなくてはいけない。私にとってはかなりの重労働である。
そんな今日のお昼休みのこと。コンビニでおにぎりを買い、公園へ向かった。木陰のベンチが空いていたのでそこに座ったとき、機械的な声が聞こえてきた。トラックがバックするときに聞こえる「車がバックします」と同じトーンの声。
「車が衝突します」
「車が衝突します」
へー、そんなアナウンス?あるんだ。え、事故りそうなの?衝突するって危険を知らせるはずなのにまぁ、なんというか、危機感のない……
んん??
よーく耳をすますと、
「車が出庫します」と言っていた。近くに立体駐車場があるの、思い出した。
あぁ、疲れておるな私よ……そうだよな、「衝突します」なんて言うわけない…
空耳アワー…
なんだろう、飛ばし過ぎなんだろな。もうちょっと自分に合わせてほどほどにがんばろう……
午前中、全力で添削のようなことをしていたので疲れは自覚していた。緩急の差。このあたり、うまーく手を抜くことを覚えられたらもう少し生きやすいかもしれない。
ただ、疲れてなくても「ききまつがい」が多いのは否めない。だがしかし、ここで「例えば…」が思い出せないのが私である。
え?あ、うん、そんなわけないか、と毎日のように心の中でいろんな言葉を聞き返していたりする。
コロナ前のようにまた人数が増えてきた通勤電車。おそらくここが最初の「聞き返しポイント」ではないかと予想する。
そんなことに神経を研ぎ澄ましてる場合ではない。仕事用に、とっておかなくては。
さて、明日はどんな1日になるのだろう。どれだけ聞き間違いしてもよい、とにかく平穏に終わりますように。