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初めて行ったデパコスカウンターで自己肯定感爆アゲした話

こんにちは。学生時代は堂々の2.5軍。クラスの1軍キラキラボーイズ&ガールズを教室の隅からジットリと見つめていたわたしです。生まれてこのかたモテたことがありません。大器晩成型すぎて50代60代でモテ期がくるのかもしれません。

このたびフリーランスのTシャツ屋を始め、モデルも兼任する運びになりました。(こちらは過去記事にて詳細を書いています)

イベントでのTシャツ販売に加え、店舗さんやクラブチームさんなどのオリジナルデザインも行っておりますので、打ち合わせ等々当然人前に出る機会は多くなります。

わたしは365日間自宅で過ごしてもまったく問題ないインドアオタクの天才ですが、お仕事のある日はさすがに出来るかぎりおめかしして家の外に出ています。人集まりなどで写真に映ることも増えました。

そんなわたしが直面した問題がこちら。


顔がちょいブスでしんどい。


いや、ものすごいブスとまでは言わない。五体満足で整形も考えないくらいの普通の顔面に生んでくれた親には感謝しかない。サンキュー親。

でも、ブスの呪いってかんたんに解けないんです。

子どものころから自分のこと、そこはかとなくブスだな……と思って生きてきました。全然毒親とかじゃないです。小さいころから3秒に1回「かわいい」と言われて育ちました。完全な親バカ家庭です。そんな家でも自己肯定感って低くなるんです。そういうタイプもいるんですよ。

「自己肯定感」「低い」で検索すると、だいたいのネット記事で幼少期に愛情を十分に受けなかったことが原因って書かれてます。

いや、溺愛されて育ったがな。
それでも低いから困っとんねん。


ということで陰キャオタクちゃん、今よりすこしでもマシな顔面になるべく生まれて初めてコスメカウンターに行くことにしました。流行りの色味や自分の肌質に合った化粧品がわかれば今より化粧の仕上がりがきれいになって、すこしは自分に自信が持てるかもしれないからです。

コスメカウンターというのは、百貨店内にある化粧品ブランドごとのコーナーのことです。シャネルとかディオールとか、かっこいい横文字が壁に書かれてメイク素人を威圧してきます。オシャレじゃない人間が近寄った瞬間センサーに引っ掛かって警報が鳴りそうで怖いので一度も近寄ったことがありません。

用心深いオタクなので、調べたいことはまずグーグルで検索します。

「コスメカウンター」「初心者」「相談」「利用方法」

ウーン、商品を買わないとわかった瞬間冷たくなる美容部員さんもいるらしい……。
そもそも美容部員さんはわかるけど、コスメ関連でよく見る「BA」さんってなんなんだ? ずっと疑問だったのでついでに調べてみる。ビューティーアドバイザーさんのこと。

ビューティーアドバイザーって言えばよくない????
略す必要ある?????

こういうの気になってついつっこんじゃいます。話がそれちゃってすみません。どうやら冷たい感じの人もいればそうでない人もいるようです。まあ当たり前ですね。

次に、最寄りの百貨店のフロアガイドをネットで眺めます。
イヴサンローラン、ティファニー、カルティエ。

ブランド名だけですでに動悸がしています。
世の中にはダイソー商品で顔面のすべてをなんとかしようとしている人間もいるんですよ。手加減してください。

めまいをこらえてブランドの名前を確認します。
雪肌精。価格帯は知らないけど日本のブランドってだけでちょっと安心する。資生堂。高いイメージあるけどやっぱ外国の高級ブランドよりは大丈夫。お小遣いで買えるかも。

若干脈が落ちついてきたわたしの目に留まったブランド。

ちふれ。


うおーーーっっっっマツキヨで売ってるやつ!!!!!! プチプラの代表選手ちふれです。どうやらちふれと同系列のメーカーも出店してるらしい。

なんか急に呼吸がしやすくなってきた。高級ブランドの店員全員怖そうだったらちふれに行こう。ここなら庶民のわたしでもいざとなったとき買える値段だろう。こんなにちふれが頼もしく見えたことはありません。

ついでにポールアンドジョーもすこしのぞいてみよう。
ネコチャンデザインの商品が多くて、単純にかわいくて好きなんですよね。

ネコ型のリップが話題になってますよね↓

そういえばツイッターでここの下地がバズっていて、気になって購入したので今わたし化粧下地だけはポールアンドジョーなのでした。うーん、途端に親近感。いけるかも。

こうして用意周到な周辺調査、イメトレ、乾布摩擦などを済ませました。嘘です。乾布摩擦はやってません。3行に1回小ボケをはさまないと持病のシャクが始まってしまうんです。すみません。

2月某日、とうとうデパートのコスメフロアに行きました。大きなリンゴ柄のワンピースにグレーのフォーマルなコート、リンゴの色に合わせて赤いリボンつきのベレー帽をかぶり、黒を基調に赤のアクセントで全体を引き締めたファッションでのぞみます。なるべく丁寧に説明してもらえるよう、陰キャオタク渾身のオシャレです。これで塩対応されたらお家に帰って枕を涙で濡らすほかありません。

平日の空いている時間帯を見定め、いざ出陣。
都心よりもすこし離れた地域の方が雰囲気がのんびりしているかなと思ったので、千葉県内のデパートに行きました。各店舗1人か2人お客さんがいるくらいで、店員さんは店内作業をしている方が多めです。

フロアをゆっくりと歩き、働いている人の顔を見ました。
当たり前ですがきれいな女性が多く、あからさまに冷たい雰囲気の人はいません。身構えていた田舎者はちょっとほっとします。目が合うとにっこりしてくれるお姉さんもいます。どうやらセンサーや警報のたぐいはなさそうです。はあよかった。

売り場の途中でふと足が止まりました。

あ。ポールアンドジョーだ。

ポールとジョーが果たしてどんな人物かは存じ上げませんが、気になっていたブランドです。遠目に店員の方を観察します。売り場には3人スタッフがいて、みなさん紺のワンピースにラベンダーのカーディガンをはおってらっしゃいます。へー、制服もかわいいな。

2,3分ほど遠巻きにながめてみましたが、和やかな雰囲気です。
よし、と思って手前にいた店員さんに話しかけてみました。

「あのお、すみません。化粧品についておうかがいしたいんですが……」
「はい! もちろん! 承りますよ!!」

いやめちゃくちゃいい人やんけ。


50代くらいの女性店員さん、すんごいニコニコ答えてくれる。単純なわたしはもうすでに彼女をちょっと好きになりかけています。プライバシーの観点から、彼女は田中さん(仮名)とします。

この田中さんが神でした。

「まーっっお客さまおきれい!!」
「化粧がお上手! とってもステキ!!」
「いやいやいや! ホントにおきれいですよ~~~!!!!」

世の中にはこんなにやさしい人類がいるんですか?????


ここ2週間ほど私生活でつらいことが続いてガチめに落ち込んでいたわたし。そんなわたしに差し込んだ一条の光が田中さん(仮名)です。待ってください田中さん、そんなにやさしくされたらガチ恋勢になってしまいます。

もちろん店員さんも客商売ですから、お世辞で褒めてくれているのはこちらもわかっています。でも、そんな風に何度も言われたらやっぱり人間うれしいですよね。

うちは親子の仲がいいので、親は未だにわたしを「かわいいかわいい」と褒めてくれます。もちろん有難くは感じますが、わたしはネガティブと猜疑心の煮こごりのような存在ですので、(だって、そりゃあ親の欲目じゃん)と、どうしても思ってしまうんですね。

それに対して田中さんは他人です。今日会ったばかりの相手ですよね。
そんな人がお世辞でもきれいきれいと言ってくれたら、もしかして、ホントにアタシって……きれいなのカモ!?!?!??!という気がしてきちゃいます。

ついでにこのとき、わたしはハッと思い出しました。

「そうだ、わたし、下地はこちらの商品を使ってて……あっ!! そうだ!! そういえば今日かぶってる帽子もそうなんです!!」

そうなのでした。別に狙ったわけではなかったのですが、この日かぶってたこちらの帽子、ポールアンドジョーのベレーなんです。

そりゃあ店員さんもニコニコしてくれるわけです。なるほど、自分がもともと潜在的に興味があるブランドへ相談に行くとこういうことが起こって、相手も親切にしてくれるんだなあ。

さらにインターネット記事を調べているときに、「具体的に聞きたい項目をまとめてからお店に行くといいですよ」というアドバイスがあったので、わたしは気になる点を順番に質問してみました。


透明感、抜け感とは?

わたし「ナチュラルメイクが流行っているのは知ってるんです。でもどうやったら自分がそうなれるのかがわからないんです;;」

田中さん「下地は弊社の商品をお使いいただいているんですよね、それでは、こちらのパウダーを合わせてみるのがおすすめです!」

田中さんがおすすめしてくれたのがこちら

完全にポールアンドジョーの回し者になっちゃってますね。すみません。まったく宣伝料もらってないので許してください

一応ファンデーションとも書いているけど、ファンデほどのカバー力、塗ってる感はなく、透明感のある仕上がりになるのが特徴だそうです。

会話の途中でわたしは自分の間違いに気づきました。
自分なりに透明感メイクを調べて実践していたのですが、どうやら「マット系」のパウダーではなく、「キラキラ、ツヤ系」のパウダーがいいらしい。(※個人の肌質にもよります)

自分で化粧をしてみてなんとなく透明感がないなあ、と感じていたのはパウダーの「質感」によるものだったのです。田中さんは神。一生ついていく。


自分に合うチークの色味がわからない

これも長年の悩みでした。自分はイエローベースっぽいし、オレンジなんかが合うのカナ? そう思って試したら10歳は老けてしまいました。

そんなわたしに田中さんがすすめてくれたのがナチュラル系のピンクです。
「メイクは顔全体の色味を統一しよう」というネットの教えに従っていたので衝撃でした。この日の自分のアイシャドウはオレンジ系。他も同じ色味にした方がよいと思っていたからです。不思議に思ってたずねてみると、

お客さまのアイシャドウは、オレンジというよりゴールド系ですね。オレンジほど強い色味ではありませんので、ピンクを合わせても全然大丈夫ですよ!」

なるほど~~~~~!?!??!?!?

ゴールドっちゅう色があるんか……。ざっくりオレンジ系だと思ってました。メイク初心者があらわれてますね。

いや、それにしても化粧品の色の名前って複雑すぎませんか?
コーラル、サーモン、サクラ、ジューシー、いやいやピンクだけで100くらいあるじゃん?? わからんて。5パターンくらいでええて。血液型なんか4パターンしかないじゃないですか。もうちょっと減らしましょうよ。ね。

そんなわけで田中さんが合わせてくれたチークとリップの色、すっごくいいカンジでした。とりあえずで合わせてたオレンジのリップは濃すぎたみたいです。なるほど~~。

事前に店先をチラ見してリップがそこまで法外な値段でないことは確認してあったので、ウキウキでリップを買いました。

併売のケースがまたかわいい。

普段はダイソーとセリアの化粧品コーナーを練り歩いているわたしです。当然ケース付きのリップなんて買ったことがありません。もうほとんど、バレンタインの特別なチョコレートを自分に買うような感覚です。

これがかわいい、ネコチャンははずせない、いやでもやっぱりこの色が好きで……。さんざん迷ってこちらにしました。

初めて買ったデパコス。
信じられんくらい嬉しい。
ケース込み3300円。オラこんな口紅初めて買うだ。

すごいですよね、ソシャゲの10連ガチャ1回回せちゃいますよ。3300円。すき家だったら並盛牛丼7回分食べられます。決して安い金額ではありません。でも今日はものすごく良心的な価格に感じられます。

田中さんはニコニコしながらあれもこれもオマケにつけてくれます。
こんなにもらっちゃっていいの?????

今日試したファンデーションの試供品、今度出る新商品の試供品、クレンジングジェル×2。新作のかわいい紙袋つき。

こんなにもらっちゃっていいの?????

やばい。すごい。もうなんか語彙力もなくなってきた。ポルジョは神。田中さんは推し。国賓みたいな待遇です。すくなくともダイソーでは絶対にやってないサービスです。わたしはすっかり恐縮しきって店を出ました。ありがとう田中さん。また来ます。


コスメカウンターが売ってるのは自己肯定感

初めて利用してみての感想です。デパコス売り場ってただお高いだけじゃないんだ。デパートのキラキラしたフロアできれいな店員さんが1対1で接客してくれて、「きれいきれい」ってずっと褒めてくれて、お客さんを大切に扱って、「特別な存在」にしてくれる場所なんだ。

だってあたし、昨日までずーーーっと自分のことうっすらブスだと思ってたのに、今日はもしかして美人なのかもしれないって気がしてるもん。

実際の美醜がどうかはかまわないんです。自分が自分をきれいだと思ってるかどうかです。初めてポールアンドジョーに行ったら、わたし、自分のこと前よりも好きになれたんです。3300円払って、自己肯定感を買って帰ってきたんです。なんかすごくうれしい。ちょっといい紅茶とか飲みたい。すこし長風呂でヘアマスクとかしたい。そんな気分です。

誰かから丁重に扱われるっていうのは大切なことなんですね。今回はできるかぎりオシャレして行ったのもよかったのではないかと思います。たとえばスッピンにジャージで行ったら店員さんだって大切に扱おうとは思わないよね。丁寧に扱ってほしかったら、自分なりに身ぎれいにして外に出かけるということも必要なのかなと思います。

最後に

ちふれさん。
ポルジョで盛り上がりすぎてしまい完全に存在を忘れてました。あんなに一緒だったのに。ごめんなさい。

以上。メイク素人が恐る恐るデパコスカウンターに行ったら自己肯定感が爆上がりした話でした。今後も美容&ファッション記事、ちょこちょこ書いていきますのでよかったらフォローしてね。ここまで読んでくださった方、ありがとでした♪

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